第41話 麻沙美先輩のお家で⑤
「それじゃあ、キリも良いですし、これで終わりにしましょうか!」
「待て待て待て! まだ私と藤馬君がヤッていないだろう!?」
ここぞとばかりに僕が提案するが、当然ながら
しかし、麻沙美先輩も疲れているようだし、ここは押せばなんとかなると見た!
「いえいえ、だって勝者は
「ほほぅ! 藤馬君は、疲れている私になら余裕で勝てると、そう言いたいんだね!」
し、しまった! 僕は馬鹿か! この言い方じゃ、麻沙美先輩に対してはむしろ逆効果じゃないか!
「ち、違いますよ! 疲れているのに、わざわざ今日やらなくてもいいんじゃと思っただけで!」
「それは要らぬ心配だ! むしろ、疲れているからこそ良いんじゃないか!」
な、何を言っているんだこの人は……
ダメだ、僕じゃこの人の思考回路はまるで理解できないぞ……
「い、伊万里先輩もなんとか言ってくださいよ!」
「うーん。でも、私も二連戦でしたしね……」
そういえば、伊万里先輩は連戦だったのにも関わらず、息をまるで切らしていない。
麻沙美先輩は初戦だったのにこの差は……
「伊万里先輩、結構体力ありますね……」
「私、結構太りやすいので、スタイル維持のためにトレーニングしてるんです。だからですかね」
なんと、伊万里先輩がそんな努力をしていたとは……
「伊万里は努力家だな。その差が出たということなんだろうね」
そう言いながら、麻沙美先輩は腕で額の汗を拭う仕草をする。
その姿は、さながら爽やかなライバルキャラが負けたときのようなポーズに見えた。
「さて、藤馬君。ビリ決定戦をしようじゃあないか」
なんとなく逃げれる雰囲気ではなくなってしまったので、僕は仕方なく準備を開始する。
いざとなれば、ワザと負けてしまえばなんとかなるだろう。
「それでは、ルーレットを回しますね」
――3分後
僕は、先程麻沙美先輩の言っていた言葉の意味を理解することになった。
「くっ……、なるほど、こういう、ことですか……」
「はぁ……、はぁ……、ふっ、理解した、ようだね……」
麻沙美先輩の動くたび、熱い吐息が漏れる。
それが物凄く艶めかしくて、意識しないようにするのが非常に大変である。
どうやら、先輩の狙いはコレにあったようだ。
「はぁ……、ちなみに、ワザと負けようとしたら、はぁ……、はぁ……」
「と、途中で言うのやめないで下さいよ! 逆に怖いじゃないですか!」
「ふっ、ふっ、ふっ……」
笑い声まで息を弾ませているし、麻沙美先輩は本当にそろそろ限界なのかもしれない。
ならば、正々堂々このまま勝ってしまった方が良さそうだ。
「次は、右足を青へ」
僕は既にブリッジ状態だったが、幸い右足は隣に移動するだけなので余裕であった。
しかし、問題は麻沙美先輩の動きの方にあった。
「うぷ」
麻沙美先輩の右足が僕の顔の前を通り、その直後に股間が僕の顔に押し当てられる。
「ふぅ……。これで少し休憩ができるな」
「ほんはふうへいははひはふは!?」
口が完全に塞がれ、ほとんど言葉がしゃべれない。
幸い鼻は塞がれていないが、これはこれで嗅覚的に色々ヤバかった。
「あん……、藤馬君、そんなモゴモゴと熱い息をかけられたら……」
しかも、麻沙美先輩は僕が喋ろうとすると艶めかしい声を上げ始める。
一体どうすればいいんだ!?
「ひはひへんはい! ははふふーへっほほ!」
僕は必死になって早くルーレットを回してと伊万里先輩に伝える。
それが伝わったのか、伊万里先輩は手早くルーレットを回してくれた。
「次は、右足を赤へ」
また右足、だと……
僕も麻沙美先輩も、右足を隣に移動するだけだが……
「っっっっ!?」
薄手のショートパンツごしの柔らかな感触が、僕の顔を這っていく。
敏感な唇が、その感触からカタチなどを想起させ、なんというか色々ヤバイ。
「はぁ……、後輩の顔に股間を擦り付けるというのは、堪らない背徳感があるな……」
変態か!? いや、変態だった!
思わず心の中でセルフツッコミを入れてしまったが、本当にあまり余裕はない。
視覚的、触覚的、聴覚的、嗅覚的刺激に加え、危うく味覚的な刺激まで加わる所であったのだ。
そんな五感攻めのようなことをされて耐えられるほど、僕は超人ではない。
さらに言うと、そんな僕の痴態を伊万里先輩に見られていると思うと……、って僕も変態か!
いやいや、落ち着け。まだ大丈夫だ。
冷静に考えてみれば、これは僕が頭を少し下げるだけで回避できることじゃないか。
体勢的にはキツイけど、まだそれをする体力的余裕はある……
僕はシートに頭が付かないよう、ギリギリまで頭を下げるよう努力する。
予想以上に体勢がキツイが、これでなんとか……っ!?
その瞬間、僕の視界に、ショートパンツの隙間から見える下着が目に入る。
それだけなら、まだギリギリ耐えられたかもしれないが……、問題なのはその先が見えてしまったことであった。
(あっ、コレは無理だ)
急速に下半身に集まる血流を意識した瞬間、僕の頭は完全に落下していた。
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