「ハーレム星の主になろう!」




 いらっしゃいませご主人様。

 わたし達あなたが転生してこられるのを、心待ちにしておりましたの。

 この世界に来られたからにはもう安心ですわ。あなたを馬鹿にする人は誰もいません。競争相手も皆無。

 あなたこそは当惑星ただ一人の男、ハレムのご主人様。

 わたし達女は、皆あなたを崇め愛し奉りますわ。

 え?

 ああ、そこに並んでいるマッチョマンに見えるのは、モブーという人造生物です。あなた様の護衛とハレムの雑用をこなす、まあ、いわゆる番犬のようなもの。男の数が少なすぎて空閨をかこつ女達の、性的欲求不満解消道具でもあります。

 性行為は出来ても子供をなす能力はないし、知能ときたら人間以下ですのでお気になさらず。

 ご主人様、わたし達の体はあなた様のものです。

 皆、あなた様に悪戯され陵辱され愛されるのを待ち望んでおります。

 どんな美少女も美女も選り取りみどり、なんだったら美幼女もいますのよ。

 あら、うれしそうなお顔。

 それでは早速あの子にお伽をさせますわね。

 え、あの子もその子もですの?

 まあ、欲張りさんですのね。

 もちろん問題無しですわ。皆誠心誠意あなたに尽くしますので、楽しみにしていてくださいな。

 せっかくだからモブーを投入してプレイさせたい?

 体育館の用具室、極悪教師たちから輪姦される制服女学生の姿が見たい?

 まあ、マニアックですのね。

 もちろんどんなプレイも許されますわ。あなたは絶対者なのですから。

 あ、でもお待ちくださいね。

 ハレムの主になるためには、前のご主人様から地位の引継ぎをしなくては。

 さあ、どうぞこちらへ。

 ええ、先代のご主人様はまだご存命ですわ。あなた同様転生者で……もう、100歳になりますのでねえ……すっかりあちらのほうが衰えてしまわれて。わたし達寂しい限りですわ。

 はい、このお部屋が主様のお部屋です。

 城で一番豪華な部屋ですのよ。

 え? 

 ええ、ご主人様の手足は切り落としてございます。

 ご主人様になられる方は、常にそうする決まりなのです。

 だって必要ございませんから。

 ご主人様は高貴なお立場の方、自ら動く必要など毛頭ないのですわ。

 ご安心を、わたくし達がお食事と下の世話、全てやりますので。むろん、それを誰がやるかもあなたはご指名出来ますのよ。

 ご主人様が頭に被られているもの?

 あれは、ドリームクラウンと申します。ハレムの主の証。

 あれをつけていれば、あらゆる時代、あらゆる場所に行くことが出来ますの。自分の年齢や外見や種族や性別も、自由自在に変えられますのよ――夢の中で。

 ほら、ご主人様笑っておられます。

 きっと楽しい夢を見ておられるのですわ。

 ええ、あれは外せませんわ。脳神経と端子とを、直結させております故、外すと死んでしまいます。

 あら、どうされましたの、新しいご主人様。

 どこへ行かれますの。

 どこにも行けませんわよ。

 行かせませんわよ。

 ここに出現したからには、あなたはハレムの主。

 決められたことには素直に従ってくださいましね。

 さあさ、モブーたち。新しいご主人様を手術室へお運びして。

 こちらの古いご主人様は、墓所へお運びして。

 急いでくださいね。これから惑星を挙げて戴冠式と葬儀を、盛大に行わなくてはならないのですから。





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