街コン帰りにアニメ好きなお隣さんと出会した件について
19話 RE:ゼロから始まる恋活生活
西園寺さん、香乃の好意をうまい具合に受け流す為にはどうすればいいのか……。
まずはオタク趣味を全開にして引かせる!
ありのままの俺を見たら引くだろう!
ということで休日、西園寺さんと香乃の目の前でエロゲーをやったのだが……。
「うわーーこれが"エロゲー"なんだね! すごーい!」
「ゆうちゃん、ゆうちゃん! 私にもやらせて! "触手プレイ"っての見てみたい!」
意外とノリノリでこっちが逆に引いた。
次のプラン。
女は基本、下品な男が嫌いだ。だから会話の全部を"ちんちん"で返す!
仕事帰り、俺の家でみんなで夕飯を食べることになった。
「ゆうくん、今日のご飯何食べたい? 私作るよ」
「ちんちん」
「なるほどね。ビーフストロガノフね」
「ちんちん」
「あ、エレナちゃん! 私も手伝うよ。ゆうちゃん、家に食材何ある?」
「ちんちん」
「基本なんも無さそうだから、買って帰りましょう」
「ならスーパー寄らなきゃだね! いい? ゆうちゃん?」
「ちんちん」
「よし、それじゃあ行きましょう」
なんか知らんけど会話が成立してしまった。
などなど。
色々試したがダメだった……。
このままじゃあ埒があかない。
「ということで助けてくれ。京也」
「いや知らねぇーよ!!」
自分ではどうしようもならないと判断し、俺は仕事終わりに京也を居酒屋に誘い、助けを求めた。
「どうして幸せ真っ盛りのお前の手助けをしなきゃいけねぇーんだよ! 嫌味か? あぁん?」
「そんなこと言わず助けてくれ。俺だって参ってんだ」
「参ってるって……誰がどう見ても今のお前幸福最高潮だろ! 読者モデルと美人な幼馴染みにアプローチかけられてんだからよ! いいよなおめぇーはよーー!」
ジョッキに注がれたビールを一気に飲む京也。もう酔いがまわってるようだ。
「幸せのもんか。週ニのペースで俺の家でゲームするし、休みは買い物に付き合わされるし……もう俺一人の時間がほとんどない。このままだと俺が逆孤独死してしまう……」
「勝手に死ねよ……ったく……」
やはり損得勘定だけで動いているこいつに同情という名の感情論で攻めても無駄か……それなら。
「よく考えろ京也。西園寺さんが俺のことを見なくなったらお前にチャンスが行くかもしれないんだぞ」
「あ?」
「だってよーー西園寺さんは承認欲求の塊みてぇーな女性だ。よくわからんがその欲を満たせると思って俺に好意を抱いた。だが、要は誰でもいいということ。その承認欲求知った上で接したらお前にもころっといく可能性があるぞ!」
と説得すると京也は突然立ち上がり、
「由! お前の力になるぜ!」
簡単に力を貸してくれた。
単純な馬鹿でよかった。
「ひとまず、お前のことを諦めさせればいいんだろ?」
「ああ。だが俺が諦めろと言ってもあの二人は恐らく"どこぞの忍者のように『私が諦めるのを諦めろ』とか言ってくるぞ」
「まあ話を聞く感じそうだよな……てかなんでお前みたいなやつにそんなお熱になるんだよ。お前惚れ薬でも使ったのか?」
「かもな……」
お互いビールとつまみを口にしながら考える。
すると、京也が何かを思いつく。
「あ、それならよ。二人に諦めさせる圧倒的な理由を作らせればいいんじゃないか?」
「というと?」
「だから、お前がその二人以外の彼女を作ればいい」
「は?」
あまりにもぶっ飛んだ発想に耳を疑った。
「義理でも何でもいいから彼女を作って、二人に紹介して、諦めさせる。そのあとは適当に別れればいいんじゃね?」
なんかプランがてきとうに感じるぞ。
「いやまあ流石にそれなら二人は離れていくとは思うが、そもそもの問題。彼女だなんてこんな俺にできるわけねぇーだろ!」
「いやなんとかなるって、今のお前のモテ期ならさ!」
「モテ期……!」
モテ期か。
確かに今人生最大のモテ期が到来している。正直今ならギャルゲー主人公ばりに色んな異性に好かれてもおかしくない……。
「そのモテ期を利用するうってつけの方法があるぜ!」
そう言い京也がスマホで何かを調べ始め、俺に見せつける。
「こ、これは……!!」
「お前、これに参加しろ!」
京也のスマホの画面に映っていたのは街コンの案内だった。
「街コンだと!」
街コンって陽キャの巣窟……そんなに参加するなんて……。
以前の俺なら絶対に嫌だと言っていた。
だがしかし!
「ふっ、おもしれぇーぜ!」
乗るしかない! このモテ
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