第7話 気になる行方
ニュースの内容によると、親子は父子家庭で母親はショウタくんが幼い頃に亡くなっているらしい。ショウタくんが1週間ほど学校にきておらず、父親の京堂ジュンジロウも連絡が取れない状態だったことから今回の行方不明が発覚したとのこと。既に2人共魚怪に食われてこの世にはいないのだが......。ちなみに親子で行方不明となっているため、誘拐ではなく夜逃げなどのような失踪事件と扱われているようだ。ショウタくんの小学校も通常通り授業が行われるとのこと。
俺はエリともう一度電話で話した。
「まさか親子だったなんてな。」
「ほんとよ。気分が悪いわ。」
「自分の息子を魚怪に捧げるなんて、いったい何を考えているんだか。」
その魚怪についてだが、今日もそれらしいニュースもSNSの情報も無かった。そうして月曜日を迎え、俺たちはいつものように登校する。
「おはよう。」
「おはようエリ。昨日はちゃんと寝れたか?」
「なかなか寝付けなかったわよ。あんな気分の悪いニュース見た後だったのよ?」
俺もあのニュースを見た後、気分がむしゃくしゃしてなかなか寝付けなかった。今日も本当は学校をズル休みしたかったくらいだ。道中に魚怪が潜んでいるかもしれないわけだしな。俺たちは周りに注意しながら通学路を進む。
「ほんと、あの魚怪はどこに行っちゃったのかしら。」
「魚っぽいしそのまま海に行っておとなしくしててくれればいいんだけどな。」
「もう全然安心できないわよ。」
「安心のためにももうちょっと魚怪のこと調べてみるか。」
魚怪が去った後に現れた怪しげなローブを纏った奴らのことも気になる。奴らは何者なのか。魚怪や京堂ジュンジロウとどういう関係だったのか。だが気になりはするものの、どこから調べれば良いのかはわからない。なにせ廃教会には手掛かりとなりそうな物は残っていなかったのだから。いろいろと考えているうちにその日は終わり、翌日を迎えた俺は朝のローカルニュースを見て一気に目が覚めた。
「次のニュースです。昨日、小学生が行方がわからなくなりました。行方不明となったのは小学3年生の田部(たなべ)レイくんです。レイくんは昨日、帰りのホームルーム後に学校をあとにしてから行方がわからなくなりました。レイくんは昨日お伝えしました行方不明の京堂ショウタくんと同じ学校の同じクラスということもあり、警察は関連性について調査しています。」
ショウタくんと繋がりのある子どもの犠牲者が新たに出てしまったのだった。
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