第4話 夏が始まった日

夏が始まった日


夕日が燃えつきて

たそがれが訪れる

それでも

静かに漁火が燃え始める

僕の夏が

始まった日のことを憶えておこう


仕事に追われる日々

街に喧噪が訪れる

それから

静かに旅心が歩き出す

僕の夏が

始まった日のことを憶えておこう


梅雨色の切れ間の

夕映えの空

絶望さえ感じなくなった心を

湿った風が駆け抜けていく

僕の夏が

始まった日を憶えておこう

それから前を向いて

歩き出そう

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