第3話 夏物語

「夏物語」


はるか遠くのことでした

二人で探す夏でした

海の色したソーダ水

あなたの笑顔のようでした


はるか遠くのことでした

二人で歩く夏でした

海の香りのするカフェで

あなたの声を聞きました


海辺の小さなスタンドに

夏の気配が満ちていて

それから海に行きました


夏の向こうの現実(いま)なんて

思うことさえできなくて

二人の夏の物語



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