第11節 我らこそ――【前編】

11節・人物用語紹介

●ニコラス・ウェッブ (ニコラス):29歳、男性、アメリカ人

 主人公。代行屋『ブラックドッグ』の助手を務める。元海兵隊武装偵察部隊の狙撃手。わりと常識人で上司のハウンドに振り回され気味。

 かつて戦場で救った少年兵がハウンドであることを知り、しかも国家絡みの陰謀に関わっていることを知って戸惑いつつも、彼女を護ること決意する。



●ヘルハウンド (ハウンド):18歳、女性、アフガニスタン人(ハザラ人)

 ヒロイン。代行屋『ブラックドッグ』を営む。ニコラスの上司。悪戯好きで自由奔放だが意外なところでシャイだったりする。

 養父から受け継いだ『失われたリスト』を所持していたせいで、USSAから命を狙われる。




<27番地の人々>

●店長(ライオール・レッドウォール)

 カフェ『BROWNIE』の店長、柔和な笑顔が似合う老紳士


●クロード

 27番地住民商業組合長、禿げ頭を野球帽で隠してるのがトレードマークのおっさん


●アンドレイ医師

 27番地の唯一の医者、腕はいいが毒舌家、ニコラスの義足製作・整備を担当する


●ルカ

 少年団『雨燕』のリーダー、口が達者なおませな少年


●テオドール・ファン・デーレン

 ちょっと古風な話し方のちょび髭商人、臆病だけど働き者でがめつい


●ローズ嬢

 リベラル・モーターズ社の令嬢、ハウンドたちとは代行屋に依頼を持ちかけたとき以来の仲


●ケータ・I・マクナイト:元特警の生真面目な巡査部長、銃は下手だが近接戦の達人。


●ジャック

 ドローンの改造と操縦が得意のお調子者の少年、元迷惑系ユーチューバーだったが現在は更生中


●ウィル

 ハッキングが得意な内気な少年、喋る際に「……」としばらく台詞を考える癖がある


●アレサ・レディング

 五大マフィア『ミチピシ』一家当主の孫娘、現在はアンドレイ医師のもとで看護バイトをしている




<五大マフィア関係者>

●フィオリーノ・ヴァレーリ

 五大マフィア『ヴァレーリ一家』の現当主、美男子だが外道


●カルロ・ベネデット

 ヴァレーリ一家当主側近、わりと腹黒で特技は根回し


●ルスラン・ロバーチ

 五大マフィア『ロバーチ一家』の現当主、冷厳な面持ちの偉丈夫


●セルゲイ・ナズドラチェンコ

 ロバーチ一家幹部、現在は27番地に居候中


<USSA関係者>

●アーサー・フォレスター

 USSA現長官、『双頭の雄鹿』の長


●オヴェド

 泣き黒子が特徴的な男、《トゥアハデ》の参謀的ポジションでありながら唯一”銘”を与えられていない


●『モリガン』

 《トゥアハデ》最古参の”銘あり”、ターチィ一家ナンバー・ワン妓女に扮して特区に潜伏していた


●ディラン・スェウ

 黒づくめの双子でディランが兄、スェウが弟、大男でハウンド以上の戦闘能力を持つ




<専門用語>


●特区

 正式名称は「ミシガン州特別経済自治区」。公式には国営の実験都市という扱いだが、実情は世界最大級の犯罪都市。27番地を除く全区画を五大マフィアが支配している。



●五大マフィア

 特区を統べる五つの犯罪組織。現在の五家は、シチリアンマフィアの『ヴァレーリ』、ロシアンマフィアの『ロバーチ』、中華系マフィアの『ターチィ』、先住民系ギャングの『ミチピシ』、南米系カルテルの『シバルバ』。


 現在、ターチィ一家当主がUSSAに逮捕され、ミチピシ一家は国の庇護下にある。シバルバ一家は当主不在による跡目争いの内乱が勃発していたが、10節後半でようやく治まった。



●27番地

 特区で唯一、五大マフィアに支配されていない中立地帯。ニコラスとハウンドが暮らしている街。ハウンドを統治者として仰ぐも、政治体制は民主制を取っている。



●合衆国安全保障局

 略称はUSSA。12年前の同時多発テロ発生直後に急遽設立された大統領直属の情報機関で、年々発言力を増している。現長官はアーサー・フォレスター。



●『双頭の雄鹿』

 USSAを牛耳る謎の組織。その正体はアメリカ建国黎明期の開拓者『ポパム植民地』住民の末裔。マニフェストディスティニーを旗標に掲げ、国を正しい道に導くことを指標とする。


 また長は必ずポパム家の血筋から迎えられる。将校や政治家等、国の重要人物を代々輩出してきた。政界、経済界、軍部、国内のあらゆる中枢に根を張り巡らしている。

 名の由来は、ポパム植民地の最大後援者でもあったジョン・ポパムの紋章からもじったもの。



●《トゥアハデ》

『双頭の雄鹿』の実働部隊。世界各国の特殊部隊から引き抜いた兵士で構成されており、長のフォレスターが自ら選んだ幹部“銘あり”が数人存在する。


 現時点で確認されている“銘あり”は『キッホル』、『クロム・クルアハ』、『ヌアザ』、『モリガン』、『ディラン』、『スェウ』、オヴェドの七名。

 現時点(11節冒頭)で『キッホル』、『クロム・クルアハ』、『ヌアザ』の三名は死亡。


 またなぜかオヴェドは名を与えられていない。


●失われたリスト

 イラク戦争中、国連主導で行われた『石油食料交換プログラム』を隠れ蓑に世界各国の大物たち(国連のトップ、現職の大臣、資本家、宗教関係者など)がこぞって汚職を行った『バグダッドスキャンダル』に関与した人物らの名が記されたブラックリスト。


 このリストを公表するだけで、世界各国代表の首がすげ変わるほど破壊力を持った代物。『双頭の雄鹿』の資金源と目される。



 ●絵本

 ニコラスがハウンドから譲り受けた手書きの絵本。人間に連れ去られた黒い子狼が、5頭の犬たちの力を借りながら故郷を目指す物語が描かれている。作者はラルフ・コールマン。


 炙り出しで謎の文がページの各所に仕込まれており、それらを解き明かすと『証人はブラックドッグ』、『リーダーはアーサー・フォレスター』となる。



 ●五人の兵士

 かつてハウンドと行動を共にしていた米国特殊部隊の兵士。とある事件により非業の最期を迎え、『双頭の雄鹿』によって遺体を遺棄され、遺品も奪われる。

 メンバーはシベリアンハスキーの『ラルフ』、ゴールデンレトリバーの『ロム』、ラブラドールの『レム』、ボクサーの『ベル』、コリーの『トゥーレ』。

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