第18話 拿捕
海上保安庁の船の窓から外を眺めると、小韓民国の国旗を掲げた漁船が3
「やつら日本の領海線すれすれのところまで来て魚を
船長の栗橋は、再び手錠をかけられた鉄心に向かって愚痴とも怒りともとれる話を聞かせた。
「ちょうどいい機会だ、思い知らせてやろう」
栗橋は無線機を手に取り、相手はわからないが、何事か指示している。
鉄心が再び窓から船外に目を移すと、一艘の小韓漁船に海上保安庁の船舶が近づきつつある。その大型の船舶は、小韓漁船の真横にならぶと徐々に幅寄せし、漁船を日本の海域内に無理やり侵入させるよう圧力をかけていった。先ほど栗橋が無線で指示していたのはこのことだったのだろう。海保の船との接触を避けようとした小韓の漁船は、ついに領海線をまたいだ。衝突すれば沈むのは、海保の船の半分の大きさもない小韓漁船のほうだ、と判断せざるをえない状況に追い込まれた結果だ。
「領海侵犯だ。そこの小韓民国の船、ただちに止まりなさい」
栗橋が
2隻の海保船の乗組員たちは、小韓民船にすばやく渡り板を架けると、銃を手に次々と乗り移る。そしてわずか10分ほどで小韓民人たちを
「こいつらどうしますか?」
小韓民人たちを収容した船の船長らしき人物が栗橋に聞いた。
「必要なのは漁船だけだ。そいつらの扱いについては、ここから50キロほど北上して、適当な場所に捨てておけばいい。運がよければ祖国に泳ぎ着くだろうし、悪ければサメの餌にでもなるだろう。せめて体を縛った縄はほどいてから海に放り込め」
栗橋は、鉄心らにステーキをふるまったとき見せた柔和な笑顔がうそのように、冷酷な口調で指示した。
「さあ、受刑者諸君、オペレーションに必要な用具を受け取って漁船に乗り移るんだ。海保からは操縦士と君らを見張る者2名を同乗させる。私どもはここに留まる。竹ノ島へは漁船単独で行ってくれ」
今度は鉄心たちに命じる。
「海保の精鋭部隊とかつけてくれないんですか?」
鉄心が栗橋に問う。
「前にも話した通り、我々が参加すると事が
「小韓のやつら武器は持ってますか?」
「衛兵だけが自動小銃を持っておる」
「撃ってこない保証は?」
「そのための小韓船だ。李信成以外の者がしゃべらねば日本人だとは思わんだろう」
「ところで、船長はもしかして小韓のやつらを憎んでます?」
「少なからずな。7年前に今我々がやってる逆の形でやられた。つまり、奴らは日本の漁船を
栗橋は険しい表情で言った。
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