覚えておきたい大切なこと
ミイ:カモメさんのお便りのとおりだと、離岸流というのに巻き込まれてしまうと、私たちは流されて行方不明になってしまうんじゃない? 事故に巻き込まれたらどうしたら
ユウ:そこもちゃんとお便りに書いてあったよ。
「離岸流に巻き込まれてしまった場合、波に逆らって泳いでも岸に戻るのは非常に難しいです。体力の消耗にも繋がるので、離岸流に逆らい、無理に岸を目指して泳ぎ続けたことが本人の寿命を奪う結末になるとも限りません。
離岸流に巻き込まれたときには次の三つの対応が大切です。
1つめ まずはおちつくこと。慌てて波に逆らって泳いだり、冷静さを失うと溺れる危険性が高まります。
2つめ 岸と平行に泳ぐこと。離岸流は岸から海に向かう強い流れですが、その幅は10メートルから30メートル程度です。そのため、岸と水平に、真横に泳いでいくことで離岸流から逃れることができます。
そして3つめ 離岸流を離れてから岸に向かうこと。離岸流の外側は波が落ち着いているので、ここから改めて岸に向かって泳いでください。泳ぐ体力がない、泳ぐのが苦手な人はこの状態で救助を待つのが良いと思います」
だって。最低限、離岸流から離れられれば岸から離れるのも避けられるし、助かる可能性が増えるってことだね。
ミイ:巻き込まれたら終わりではないと知っておくことは一つ目の落ち着くことに繋がるかもしれませんね。宵の越しラジオを聴いてくれている皆さんが海に入るときにもカモメさんのお便りのことを思い出してみてくださいね。
それと、今の離岸流の話を聴いていても思いましたが、救助が来るまでの間、私たちの生存率を上げてくれるライフジャケットはとても重要です。これがあれば、ライフジャケットが私たちの身体を浮かせてくれますが、何もつけていなければ、自力で浮き続けていなければなりません。
ユウ:立ち泳ぎを続けるってこと?
ミイ:岸に戻る体力がないときは、そうなるんじゃないかな。流されてしまったことで慌てているだろうし、どんどん体力が奪われていくと思います。その中で、浮き続けているのは非常につらい。自分の体力を過信せずに、保護具を身に着けて遊ぶことが、結果として私たちの命を守ることに繋がるのだと思いますよ。
ユウ:まあ、それはそうとして、遊泳禁止区域とか立入禁止区域に入っちゃだめですよ。カモメさんのお便りの残りを紹介している時間はありませんが、事故の大部分は遊泳可能な海水浴場の外で起きています。
何かが起きた時の安全策がとられていない場所、元々、水の流れが複雑な場所。そういったところは危険だから立入禁止、遊泳禁止にされているんです。
人気がないし、独り占めできるなんて感覚で遊びに出かけたら取り返しのつかないことになるよ。
ミイ:ユウちゃんにしてはきちんとした意見ですね。安心しました。ところでユウちゃんが着ているライフジャケット、右胸の当たりが裂けていない?
ユウ:あ、これね。さっきお便り読みながら着た時に何かに引っかかって……うわ、しかもなんか濡れてるや……これ不良品じゃないですか?
ミイ:いくら保護具を身に着けていても、保護具が壊れていたら助からないですよね
ユウ:怖いこと言わないでよ。私たちは海にいるわけじゃあないんだから。大丈夫、海水浴にいくときはちゃんと気を付けるから。
ミイ:そうやって言っている人が大抵失敗するんですよ。ラジオの前のあなたもドキッとしたんじゃないですか?
ユウ:そうそう。そんなんだから、溺れちゃうんですよ。あと一歩、備えが足りていない。
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