第6話 運命

ジュリエット

ミサに、ぎりぎり間に合ったじゃないの

昨日は部屋にいましたか

物音ひとつしなかったわよ


お母様

それは誤解です

昨日はつい遅くまで起きておりました

なかなか寝付くことができず

そのため、起きるのが遅くなりました


そうかい

今日はベルタナー家の結婚相手

ブルーナー様がお見えになります


ロミオ

恐れていたことが現実になるかもしれません

どうか現実を夢にしていただけないでしょうか

ブルーナー様はアリオスを弟のように可愛がっておりました

剣術もブルーナー様が教えてくださったほどです


ジュリエット様

お見えになられました


幼い頃に可愛がっていたが、これほど美しくなるとはな

婚礼の話は聞いておるか

はい

来月の夕刻に婚礼の儀だ

日時は前もって知らせる

今日は婚約の挨拶に参った


ロミオ

私が求めていた現実は悪しき現実になりました

どうか、この悪き夢を打ち破っていただけないでしょうか

悪しき現実となれば、あなた様にお会いできなくなります

あなた様との距離はもはや無くなります

苦しみと安らぎを捨てなければなりません

目の前に距離すらない方がいらっしゃいますが

安らぎは求めておりません

ロミオ

どうか、私の前に現れて

この方と私の距離を断ち切ってもらえないでしょうか


アリオスはおるか

はい

ブルーナー様

お待ちくださいませ

ブルーナー兄上

お待ちしておりました

ジュリエットもたいそう喜んでいるでしょう

そうだな

はい

アリオス

久しぶりに練習相手になってやろう

これほど、嬉しいものはありません

ブルーナー兄上様


キン・キン・カン・キン


うう

まだ向上が足らないな

ブルーナー兄上様に勝てる者は

この世に存在いたしません

ジュリエットと婚礼をあげたなら

また教えてやろう

ありがたき幸せであります

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