タロット、ちょろっと、備忘録

第87話 FOUR of PENTACLES. ペンタクルの4

FOUR of PENTACLES.

　地　構造化

　ペンタクルの4が示すのは「所有」「維持」「固守」「執着」です。

　ペンタクルの王冠を頂いた男が街を背にして石のベンチに座り、左右の足で1枚ずつペンタクルを踏み、両手で胸の前にペンタクルを抱えています。これまで手に入れた数少ない自分の所有物を誰にも渡すまいとしがみついているようです。

　自分の作り上げた経済基盤にどっしりと腰を据えているようにも見えます。ペンタクルがこの人物の「ペンタクルを増やそう」という能動的な意欲を抑え込んでいます。

　所有する財産、地位、評価、人間関係等、築いてきたものを維持することに意識が向いています。

　独占欲が強く、お金なら守銭奴を表します。(このカードが「ソードの7」の盗人と一緒に出てきたら注意してください)。

【正位置】

「所有」所有欲、所有する安心、金を掴む、財産、経済的安定、満たされる。

「維持」慎重、手堅い・安定感、保身、保守的、現状維持、確実。安定した仕事。経済的安定。

「固守」大切な所有物を固守したい。限界を自覚して権力と財産がもたらされる。

「執着」執着、ケチ。守銭奴。自分の所有物にしがみつく。貪欲の結果としての緊張。

「好機」好機、ギャンブルでの儲け、臨時収入、物欲。成功。

「権力」贈り物、相続財産、遺産。力と金。

　このカードは、人に権限を譲れないことを示します。経済的には安定をもたらすカードですので、経済的な力とか統制力に関しては良好です。ワンマンで自信過剰、他人を信じない、いわゆる「マイウェイ」的な行動をとる人です。質問者は金にしがみついていたおかげで、経済的なトラブルを切り抜けます。

　利己的な意味を持っているカード(ペンタクルス・ワンド・カップの各エース(逆位置)、ペンタクルスの6(逆位置)、ワンドの10(逆位置)、ワンド・ソード・カップの各ペイジ(逆位置)。ソードのナイト(逆位置)、ペンタクルスのキング(逆位置))が周りに出ていると、このカードは与えることも受けることもできないという暗示になります。信用したり、与えたり、分け合うことができないのです。

【逆位置】

「遅延」遅れる、延期、中止、動かない。

「失態」欲による失敗、挫折。損失、大切な物を失う。力や経済的基盤の喪失。

「妨害」敵対、妨害、障害が起こる、見込み違い。

「杜撰」不注意、ずさん。不安、焦り、裏目。不明確な境界。

「強欲」強欲、浪費、自分を制限することができない。力や金銭がない。地に足を着いていない生活。

「独占」独占欲。過剰な自己防衛。所有欲。最も大切なものを守るようにという警告。

　築き上げたものを維持できません。質問者はずっとしがみついていたいでしょうが、基盤はどんどん揺らいでいきます。ずさんな金銭管理や軽率な行動から経済的安定は失われていきます。仕事や金銭面で問題が起こり、避けがたい妨害が襲います。質問者は力の喪失をひしひしと感じるでしょう。

　自分の所有物を手放す。これは他人を解放する、あるいは新しい経験に向けて手放すことを指します。