第60話 タロット・リーディング習得法(5) ヘキサグラム

タロット・リーディング習得法(5) ヘキサグラム


 ここから本格的なスプレッドに移ります。

 今までスプレッドは、タロットカードと親しむこと、そしてタロット占いそのものに親しむことが目的でした。


 今回ご紹介する「ヘキサグラム」スプレッドは、質問者の過去・現在・未来を見る「スリーカード」に「アドバイス・自分の気持ち」の「択一」と相手の気持ちを読み、最後に最終予測の「ワンオラクル」まで読み切ります。

 一気に「これがタロット占いだ! こういうのをやりたかったんだよ!」とお思いのことと存じます。


 しかし物事には順序があり、タロットカードを扱えないのに本格的なスプレッドができるはずもなく、タロット占いに親しんでいないのに難しいスプレッドが扱いきれるはずもないのです。



 前書きはこのくらいにしましょう。


 まず「ヘキサグラム」スプレッドではアナログ時計の何時方向にカードを置いていく、と考えればイメージがつかめます。


 まず時計の0時に「過去」のカードを、4時に「現在」のカードを、8時に「未来」のカードを置きます。

 この三枚は「スリーカード」で親しんでいるので、読むのは簡単ですね。


 次に6時に「アドバイス」のカードを置きます。

 さらに10時に「相手の気持ち」のカードを、2時に「質問者の気持ち」のカードを置きます。

 「アドバイス」と「質問者の気持ち」は「択一」で慣れているはずです。

 これまでのスプレッドでは「相手の気持ち」について読んでいません。すべて質問者の姿勢や態度をリーディングしてきました。

 「相手の気持ち」とは言いますが、会社の取引先であったり営業の商談相手であったり、自分とかかわる他人の意志を見ようというものです。

 「質問者の気持ち」は質問者の態度や姿勢など、質問者が知りたい物事にどうかかわっていくのかを示しています。


 そして「ヘキサグラム」スプレッドが占いで重宝されるのは、恋愛を見るのに絶好だからです。

 「質問者の気持ち」と「相手の気持ち」を一回のリーディングで読めるので、片想いなのか両想いなのか、気になる人への感情は「愛」なのか「共感」なのか「哀れみ」なのか。そういった人間関係を見るにはうってつけなのです。


 最後に時計の中心に7枚めの「最終予想」のカードを配します。



 ではリーディングの手順です。


 まず「0時(過去)」「4時(現在)」「8時(未来)」を順にオープンしていきます。

 そして「スリーカード」同様、質問者と会話をしながら情報を収集します。

 タロット占いは、質問者がどう思っているのかや占いに対する姿勢を知らないと、正確な結果は生まれません。

 情報を引き出す話術が最も重要。という意味でタロット占いは「占い」というより「カウンセリング」に近いですね。

 質問者の「過去」はこんな状態でしたね。「現在」はこんな状況にいませんか? 近い「未来」にこういうきっかけが起こりそうですよ。

 それを3枚のカードで示しながら情報収集するのが肝です。


 次に「6時(アドバイス)」「10時(相手の気持ち)」「2時(質問者の気持ち)」を開きます。

 質問者は相手をこう思っているのではありませんか? 相手はあなたのことをこう思っているようです。あなたの気持ちが相手に伝わるにはこのアドバイスを生かしてみてください。


 最後に「中心(最終予想)」のカードをオープンします。

 あなたが「アドバイス」どおりに動けば、最終的にあなたと相手はこのような状態に落ち着きますよ。

 とリーディングしていきます。


 最初の3枚は「スリーカード」。続く3枚のうち「アドバイス」「質問者の気持ち」は「択一」で学んで親しんでいるので、目新しいのは「相手の気持ち」だけです。

 そして最後に「最終的にこうなりますよ」と示す。これも目新しいですが「ワンオラクル」に慣れていればリーディングするのも簡単です。


 しかも質問者はこれが知りたくてリーダーのところへやって来たのです。

 だから「ワンオラクル」「スリーカード」「択一」の順番で学んでくると、「ヘキサグラム」スプレッドがスムーズに習得できるのです。


 そして学生であれば恋愛問題は花盛りですよね。

 「ヘキサグラム」スプレッドは恋愛問題を見るのに適しています。

 どのスプレッドも、どれだけ真剣に実践してきたかで習熟度の向上に格段の差が生じます。

 ぜひ手順をマスターして、クラスメートの恋愛を占ってみましょう。


 また社会人であれば「自分と上司の仲」「自分と取引先の仲」「自分と見合い相手の仲」「自分と親の仲」「自分と子どもの仲」など、占う対象がどんどん拡大していきます。

 早めに憶えておいたほうがよいスプレッドなので、ぜひ積極的に取り組んでくださいませ。



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