第59話 タロット・リーディング習得法(4) 択一
タロット・リーディング習得法(4) 択一
多くのスプレッドの中で、スリーカードと並んで応用力のあるスプレッドが「択一」です。
その実践はとても簡単。
まず質問者の質問内容から選びうる「選択肢」を明確にして、カードを左から右へ置いていきます。
もし選択肢が2つ、つまり二択ならカードを2枚並べます。
選択肢が4つある四択ならカードを枚4枚です。
選択肢がありすぎると集中力が散ってしまうので、多くても五択までに絞ってください。人間は、四肢と頭部の「五体」、手足の「五指」と、「五」の数は瞬間的にイメージしやすいのです。
そして質問者がとりうる選択肢をいかに明確に規定するか。リーダーの技量も問われます。
そして「選択肢」のカードの手前に、「質問者の姿勢」のカードを1枚引いて置きます。
では肝心のリーディング方法です。
まず「質問者の姿勢」のカードをオープンします。
次に選択肢を復唱しながら左から順にカードをオープンしていきます。
選択肢1を選んだらこうなるでしょう。選択肢2を選んだらこうなるでしょう。という具合に。
もちろんこれだけでどの選択肢が有望かを探るのもひとつなのですが、「選択肢」のカードの手前に配した「質問者の姿勢」のカードを使います。
質問者がこの問題にどのような姿勢で臨んでいるのか、取り組もうとしているのか。それを知れば、質問者が真剣に取り組んでいるのかどうでもいいやと思っているのかがわかります。
質問者が判断を誤ろうとしている可能性を指摘できます。このカードの意味を説いて質問者の取り組む姿勢を共有すれば、「選択肢」のどれを選ぼうとしているのかも導き出せます。「質問者の姿勢」のカードがリーディングに必要な会話の糸口になるのですね。
「選択肢」の中でいずれがよりよいかを知ることはできますが、その後どうなるかまではカードが足りなくて読みきれません。
そこで「質問者の姿勢」カードを配したら、「選択肢」カードの奥に「結果」のカードを選択肢ぶん配します。
つまり二択なら「結果」カードは2枚で計5枚が場に出ています。
四択なら「結果」カードは4枚で計9枚が場に出ているのです。
ですが、カードの配置はリーダーや読みやすいようにするべきなので、「選択肢1」のカードを置いたらその奥に「結果1」のカードを置く。次に「選択肢2」のカードを置いたら「結果2」のカードを置く。という手順でもかまいません。
「選択肢」としては最良だが、それを選んでも「結果」が悪い、という事態も起こりえます。
たとえば「朝食はおにぎりを食べようか、パンを食べようか」と二択になったら「択一」スプレッドの出番です。
「選択肢1」をおにぎり、「選択肢2」をパンとし、それに対して「質問者の姿勢」カードで質問者は絶対に白黒つけないと気が済まないのか、とりあえず腹を満たせればよいのかをチェックします。今回は「結果」カードをそれぞれ配します。
そして最初は「質問者の姿勢」のカードをオープンします。
ここでは「太陽」が出ました。
とくに頓着せず順風満帆なカードです。つまり「腹を満たせればなんでも満足できる」と考えているようです。
そうしてから「選択肢1」と「選択肢2」を順にオープンするのです。
おにぎりは「死」で、パンは「節制」となりました。
カードの強さはともに大アルカナなので同格です。
一般的に「死」は悪いカードに思われがちですが、続いてきたものを断ち切って新たに始めるカードなので、もしかしたら昨日まではパンが続いていた可能性もあります。
そして「節制」のカードはあまり出しゃばらずバランスをとるように示しているのです。
ということはこれだけだと「おにぎり」を選ぶべきですよね。
しかし実際に「おにぎり」を選んだらお腹を満たせるのか。
その結果が知りたいですよね。
そこで「結果」カードの出番です。
もし「おにぎり」の「結果」カードが「カップの10」だったら、じゅうぶん満足するだろうとわかります。仮に「ソードの3」だったら満腹とまではいかないかもしれません。
そこで「パン」の「結果」カードをオープンして、こちらも満足が得られるかを確認します。
「選択肢」としては「おにぎり」がよかったとしても、満腹する「結果」は「パン」のほうだった、ということはじゅうぶん起こりえます。
この場合「おいしく食べられるのはおにぎりですが、お腹がいっぱいになるのはパンですね」とアドバイスすればよいのです。
五択までの限定ではありますが、さまざまな質問にどう答えればよいのかを知りたいのなら、「択一」スプレッドは万能で使えますよ。
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