第61話 ACE of CUPS. カップのエース

ACE of CUPS.

 水 スートの純粋なエネルギー、ギフト


 カップのエースが示すのは「慈愛」「家庭」「幸福」「充実」です。


 雲から白い手がカップを持って現れます。

 そのカップからは5本の水流を下の池へと穏やかに垂れ、神の名と恵みを表す聖なるヨッドの水滴が26個飛び散っています。

 そのカップはまさに今あなたへ手渡されようとしています。愛情や感情に関する事柄がエースの旅立ちから始まるのです。


 5つの水流は「慈愛」の意味を持ち、かつ大アルカナと4つのスートを表しているのです。カップの上から十字を記した聖餅を運ぶ、平和と幸福の象徴である白い鳩が飛んでいます。聖杯は『アーサー王と円卓の騎士』の物語で出てくるキリストの血を受けた杯であり、聖餅はキリストの肉体とされています。

 つまりカップのスートは短絡的には「キリスト教」を説いているのです。生命の樹を持つカバラもキリスト教の秘密結社です。


 エースの各カードは、稼いだり獲得したりするものではなく、ただそこにある贈り物として、私たちにもたらされます。

 中でも「カップのエース」は、最も純粋なギフト、愛の贈り物です。

 ロマンチックな愛や、情熱的な愛と同時に、このカードはスピリチュアルな愛や神の恩寵、癒やしをも象徴します。

 このカードにあるのは水のみ、つまり純粋な感覚のみです。


【正位置】

「慈愛」愛する力、愛、ラブ、慈悲。愛の再生。思いやりのある心。恋愛・相互理解・自分への理解の始まり。

「家庭」心が通い合う、出会い、始まり、よい縁談、結婚、よい家庭。養育、住居。真実の心の「家」。

「幸福」喜び、幸せ、満ち足りた状態、満足、豊饒と多産。神の恩寵、癒やし。心の栄養。

「充実」豊かさ、肥沃さ、夢の実現。楽しい出来事、順調。スピリチュアルな覚醒。

「平和」感動、誠実、感情を素直に表現。

「華美」ファッション、趣味の開花。

 これらのことがすべて、ギフトとしてやってくる。獲得しようと戦ったり苦しんだりする必要はなく、ただもたらされる。

 自らを理解し、人から理解され、人を理解すること。これがテーマです。カップからあふれ出ている水は、心の外に向かって流れる感情を表しています。


【逆位置】

「不通」愛情の一方通行、片思いで終わる、受け入れられない愛、傷心。

「失望」希望を失う、喪失感、うまくいかない。感情の揺れと鈍感さ。情に流される。

「閉ざす」偽り、浮気、争い、焦り。心を開くことができない。感情を表に出さず閉ざす。

「変化」関係の不均衡、不安定な状況・気持ち、変更されやすい状況、変化、革新。

「滋養」肉体的・感情的・あるいは霊的に自分自身へ滋養を与える必要がある。偽りの心の「家」。

「否定」不当、ネガティブ。

 幸福が阻まれている、あるいは誰かが愛を差し出してくれているのに、気づいていない可能性があります。

 質問者は自分の気持ちを素直に表現できません。愛を与えるとか受けるとかいうことに関して、まったく自分本位になってしまうでしょう。(たとえば、恋愛に条件をつけるとか、恋愛を自分に有利に進めるとか、人の心をもてあそぶとかいうことです)。



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