第21話 XIII DEATH. 死(死神)

XIII DEATH. 死(死神)

 天蠍宮(蠍座) 緑がかった青


 死神が示すのは「終幕」「死亡」「新生」「変容」です。


 死神はエジプトの神カオスです。

 ヌーンもしくはヌーと呼ばれ、あらゆる生命が誕生した原始の海を表現したものです。彼は大鎌を携え、あらゆる生命を刈り取る死神です。彼は、魂の不滅性を悟ることによって、新しい自由と解放を体験するすべての人のことです。薔薇戦争の時代に「生命を意味する神秘の薔薇」を紋章としたランカスター家の騎士です。


 骸骨の白騎士は至る所へと足を踏み入れて「低次から高次への変化、変容、移行」をもたらします。これは自然の必然的な成り行き──誕生と死、新生と腐敗──でもあるのです。


 一般には、平和を脅かす直接的な「死」を表す不吉なカードと受け取られています。しかしそれは骸骨の白騎士が持つ圧倒的な負のイメージから来たものです。


 新しい日を迎えるためには物質世界を超越し、新たな生命として生まれ変わらなければなりません。

 それまでの執着を捨て、新しい価値観に立てば、太陽の示す未来への道は自ずと開かれているのです。


 このカードは蠍座と関連があります。オカルトミステリーと秘密の行動のサインです。占星術では、蠍座は死と再生を司ります。

 私たちが(骸骨によって表されるように)感情的・精神的な肉体への愛着心を捨てながらも地上に生き続けることによって明らかにされます。


 日の出は何かの始まりを、川の流れが急に変わっているのは、誰の身にも突如としてふりかかる大きな変化──死と同じような──に私たちの注意が意図的に向かわされることを表しています。


 「死神」は変容のカード、つまり重要な変化のカードのひとつとみなされます。「塔」のような外的なところから突然やってくる変化とは違った、すでに目の前にあるものの変化です。

 同一の人間関係の中でゆっくりと段階を通過し育まれていく友情のように、すでにあるものが終わってしまうことなく、再構成されていく過程を意味します。


 たとえば過去が「ペンタクルの10」で、未来が「ワンドの2」だったら、前者のアーチと後者の塔のバルコニーという二つの象徴を比較してみると、それらが上方へ向かう変容すなわちより高次のものの見方を獲得し、低次の状況から抜け出ていくことを示していると解釈できます。


【正位置】

「終幕」何かを終わらせる、停止。終焉、恐れず惜しまず何かを手放す、心は決まっている。

「死亡」死、強制終了、崩壊、病気。

「新生」過去の終わりと新たな可能性の始まり、自由になる、刷新。出発。新たな局面への移行。次へのステップ。

「変容」変容、変化、現世での意識・情緒の変化。望ましい変化、よくない変化。

「限界」損失、ミス。災難、危険。

「別離」別れ、破局、絶交、離婚、愛の不毛。

【職業と為人】過去を捨てて新たに生まれ変わる。受刑者。引っ越し。進学。新入社員。

 状況を改善させるためのより良いまたは新しい方向への成長。

 束縛からの解放や望ましい変化を意味します。新しい生活、異なったサイクルが始まります。希望が実現する日がやってきます。過去が捨て去られることから、移動が暗示されています。引っ越しであったり転勤であったり、あるいはものの考え方が変わるといったものであったりします。人生における感情面が変化してきます。質問者を誤らせるような過去の感情はなくなります。ノイローゼやその他の心の病からは解放されます。静かで健康的な愛の心が、過去の不幸な事柄による苦しみを和らげてくれます。

 実際に、何らかの死が懸念事項となっている場合、このカードはその問題を正直に見つめるよう促している。


【逆位置】

「一新」起死回生、危険の回避、新たなスタート、

「展望」希望が取り戻せる、再挑戦。

「分岐」分岐点、思いもよらない新展開、

「病気」死には至らない病、長引く苦労、無気力。不安な立場。

「損失」一時的な失敗や損失、自分の責任ではない災難やミス。

「停滞」停滞、行き詰まり、不活発、次に進めない、中途半端、変化を恐れる。

 ときとして(病気や老齢に関するリーディングの場合)、肉体の死への恐怖(その人が死ぬというメッセージではない)。

 動きがとれない、暗礁に乗り上げた状態になり、質問者は一時的に行き詰まります。やがて、この障害は消え去ります。そして、状況は元の通り進んでいくでしょう。

【職業と為人】重病人。潔くなく決断を先延ばしにする。未練がましくしがみつく人。頑迷な人。



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