第20話 XII THE HANGED MAN. 吊るされた男(吊し人・刑死者)
XII THE HANGED MAN. 吊るされた男(吊し人・刑死者)
水・海王星 (支配星座:魚座) 青みがかった緑
吊るされた男が示すのは「犠牲」「忍耐」「静止」「無我」です。
彼は十字架にかけられたキリストです。
十字架に逆さ吊りで「静止」させられてもなお光と救いをもたらしました。
神との合一を果たすため顕在意識と潜在意識を超越しようとし、すべてを「犠牲」にし捨て去った「無我」の人生を送る人です。
自分たちの意思を神の意志に捧げることで見つけ出される、誰もが持った精神性なのです。
彼はこの世界で規制となるものであると同時に聖なる存在です──「秘儀の司祭」のように仲介者でもあります。「吊るされた男」が神秘体験の中での神との内なるつながりであり、「秘儀の司祭」は宗教の中で見いだされる神との外的なつながりです。
啓発と幻影の惑星・海王星がこのカードを読み解く鍵です。吊り下げるということは、あきらめる、何かを犠牲にする、価値あるものを価値のないものと交換することを暗示します。
逆さまに吊るされた状態は、狡猾さやうぬぼれを捨てることを表しています。
それは、俗世間の人々の生き方とは正反対のものです。
彼は常識的な生き方に背を向け、魂を解き放ち、神の叡智とともに生きようと考えていますが、他の人の意見に縛られ動けないでいるように見えます。
顔の表情は心に迷いがないことを表しています。
彼は魂を救済されており、不安な気持ちは消え、今や生と死を越えようとしているのです。その気高い心は、彼の存在のみ支えているのです。
「吊るされた男」は過去の価値観を拒否すること、贖罪あるいは内面的にも改心し外面的にも償うことを示しています。
私たちは新しい生き方、新たに決まったことを受け入れ、考え方を変えて過去の出来事と折り合いをつけていくことができるのです。
悔い改めることで自分の過去の振る舞いを正していくこともできます。
このカードは自分の行為の結果を受け入れていかなければならないこと、また究極的にはすべてのものには切り離すことのできないつながりがあることを示しているのです。
「吊るされた男」は、私たちが高次の価値に従って行動しなければならないことを示しています。
「吊るされた男」とともに「ワンド」のカードが最も数多く出ているならば、「ワンド」のスート自体が意志、野心、生き方と関連した価値を表しているため、それらのカードが生きていくために最も必要とされる重要なものが何かを示している場合もあります。
【正位置】
「犠牲」処罰を受ける、受け身の態度。奉仕、報われる苦労。
「忍耐」忍耐、我慢、修行、試練、障害。焦りと苦痛、困難な時。
「静止」身動きがとれない、閉塞、行き詰まる。
「無我」なにかのためになにかを諦める、妥協。どうしようもない状態、じっくり考える。
「啓示」苦境の中で自分と向き合う、深い価値感を持つ、周りの人とは違うやり方で物事を見る。
「逆転」どんでん返し、価値観や優先順位の変更。喜び。
【職業と為人】違う環境への引っ越し、異動、転職。
犠牲とは普通、自分の大切にしているものや、愛しい人をあきらめる苦痛を意味します。また、よりよい何かを手に入れるために、何かを手放すことも意味します。
悪いカードが多く出れば前の解釈が当てはまります。よいカードのほうが多く出れば、あとの解釈をとります。
精神的な意味では、犠牲とは神への献身であり崇拝です。問題を神の手にゆだね、状況はしかるべくして改善されると信じることです。質問者のものの見方は最初とは正反対になります。地方に住んでいる人の引っ越しのことで出てきたら近々都会に住むでしょう。体を動かすことのないデスクワークに追われている人に転職という結果が出れば、このカードは出張の多い仕事とか、営業畑で外回りの多い仕事などにつくことを暗示します。生活における優先順位の逆転が出てきます。他の人のことを第一に考えていた人は、自分のことを最初に決めるでしょう。逆もまたしかりです。悪いカードと一緒に出てきたときは、明らかでない、ぼんやりしたようなどっちつかずの状態となりそうです。
【逆位置】
「我儘」エゴイズム。実利主義、自分本位。自分勝手、甘え、必要な努力を怠る。
「自尊」プライド。
「徒労」徒労に終わる、報われない努力、無駄な犠牲。
「影響」社会の期待や他人の意見や信条から影響を受けすぎる。
「解放」ある状況から自分を解き放って先へと進む準備をする。気づきが訪れる。思考が明晰に。よい見通しは立つが油断できない。
「自棄」自暴自棄。投げやり、不履行、悪あがき、犠牲的行為に欠ける。やせ我慢、現実を受け入れられない。
【職業と為人】やけになっている、独善的。プレッシャーに弱い。現状打破が近い。
実利主義、プライド、自分本位といったことが、質問者の客観性に影を落とします。自分のことを差し置いては、ものを見られません。頑固さと心の狭さから、彼は”神の意のままに”させておくことができません。自己中心的で自分のやり方に固執する態度が、状況の改善を妨げます。
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