VII　THE CHARIOT.　戦車

　巨蟹宮(蟹座)　アンバー

　戦車が示すのは「邁進（マイシン）」「果敢」「勝利」「エネルギー」です。

　これは古代ローマの戦車で、エジプト神話の太陽神ホルスにあたります。

　目指すべき道を見据えた戦士が、相反する肯定性を表す女性的な白と否定性を表す男性的な黒の二頭のスフィンクスつまり感覚の二つの領域を支配し均衡させています。

　感情と心をバランスさせ、戦士は彼の感覚をコントロールしているのです。

　周りの雰囲気にいちいち惑わされることはありません。

　とりわけ知性における「勝利」です。

　しかし御者は合理的な世俗の知識のみを持ち、「高位の女司祭」の深い知識を持っていません。

　彼の支配権は地上の世界に関するものであり、天上のものではないのです。

　彼は内面に勝ったのではなく、表に現れた外的な面に勝利したのです。

　戦士が現実世界と肉体を支配していることを表しています。

　戦車は決して止まらず「邁進」します。それはローラーコースターのように全開となった「エネルギー」の状態です。

　「果敢」に突き進む戦車に乗るには、じゅうぶんに落ち着いた状態でいなければなりません。

　水星と関連するシンボルがあることから、メルクリウス(ヘリオス)のカドゥケウスが描かれている「カップの2」とのつながりも見つけられる。

　占星術的には、蟹座が当てられます。

　戦車のカードには、質問者の願望を制御する内なる自分が暗示されています。

　人生における大きな試練の克服が達成されました。

　彼自身の力と思案・方策のバランスをとりながら活用することで、人生における勝利を得つつあるのです。

　戦車が立方体をしているのは「皇帝」のカードと関係しています。

　このカードは今行なっていることがなんであれ、望むと望まざるとにかかわらす、私たちを前方へと向かわせます。

　仮にこのカードが大アルカナ、とくに「塔」とともに出ている場合、質問者への助言となるのは、成り行きに任せ、目を閉ざし、すべてが終わるのを待つことです。

【正位置】

「邁進」突き進む、力強さ、前進、一途、戦っていく、ファイト、

「果敢」勇気、挑戦、積極的、行動するべきとき、強い意志、厳しい決断。

「勝利」成功、悪い状況の克服、達成、解決、支配、征服、心の強さによって問題を克服する。

「エネルギー」パワフル、勢いに乗っている、

「進展」行動的、スピーディーに物事が進む、

「均衡」自制心によるバランス、感情や欲望をコントロールする。

　愛情問題では、困難や現在の愛情問題を解決できます。感情は理性・知性と調和し、ムードや周りの環境に負けなくなります。外側には平静を保ち、感情を内側にしまっておくのです。

【職業と為人】旅行家、冒険家。征服者、支配者。コントロール、話し上手。

　このカードには、真ん中へ寄る意があります。戦士は戦車の真ん中にいるからです。スフィンクスには手綱がかかっておらず、見えない力によって操られています。思いやりによって、自然に物事が進んでいくことを暗示しています。生活面では悪い習慣──アルコール、クスリ、やけ食いなどを克服するカードです。自ら”乗り物”(自己表現の手段)を見つけることや、自分自身を表現するための特殊な方法も暗示しています。(文字どおり)旅行や、あるいは新しい車が関係するでしょう。

【逆位置】

「暴走」焦って空回り、調子に乗る、勢い任せ、自制心の喪失。

「行き止まり」これ以上前に進めない、衝突、トラブルに遭う、遅延。

「失敗」不成功、敗北、計画の挫折、後悔。

「苦杯」苦しい勝利、報われない勝利、苦しい状況。

「意志が弱い」短気、けんか、身勝手。

「困難」矛盾した事柄をまとめるのに困難がある。

「不均衡」情緒のバランスや自制心が損なわれる。

【職業と為人】挑まず何かから去る自由。夢想家。旅行のキャンセル、車のトラブル。コントロール不能。ときとして自分の本当の感情を表に表す。

　心がコントロールされず、感情がバランスを失っています。悪い習慣が戻り、再びクスリ、タバコ、やけ食いなどでストレス解消をしようとします。つまらない慰み事に走り、自分をダメにしてしまいます。情緒不安定がもとで、再起不能になってしまいます。質問者には、もっと自分の身を大切にして自滅的な行為から足を洗うようアドバイスしてあげましょう。

　このカードは失敗や敗北を意味します。それは辛抱が足りないことが原因かもしれません。