第9話 期末テスト②

期末テスト2日目の明朝5時、スマホのアラームに起こされ、まぶたを擦りながら学習机に向かい、本日ある科目の勉強を始めた。

昨晩やったところの復習を隅々とやり、あっという間に2時間が経過した。制服に着替え、支度を済ませ、1階へと向かい朝食を済ませ、リビングのソファーで最終確認をして万全の状態で学校へと向かった。

「倉岡君、おはよう」後ろから呼ばれ、振り返ると天草さんが小走りで大きく手を振りながらこっちへと向かってくる。

「おはよう、天草さん。どうして走ってきたの?」天草さんに尋ねると、息を切らしながら理由を答えてくれた。

それから、一緒に学校へと向かい各自勉強に取り組んだ。

2日目のテストを無事に乗り切り、一安心し、肩の力が一気に抜けた。

「ありがとうございました。無事に苦手な英語を良い結果で迎えれそうです。」

「それは、良かった。他にわからない科目があればまた教えてあげるよ」如月さんは恥ずかしそうに自分の机に戻っていった。

テスト3日目は、現代社会、保健、生物の3科目で、特に苦手教科でもないのでいつも通り勉強すればいけると確信していた。

案の定、不安な所は少しあるけど90は超えたと思う。

「今日のテスト、難しかったね」クラスでは今日のテストのことを話している。

「倉岡君はどうだった? 」

「前回と同じくらいかな」僕と天草さんは当たり前のようにぱっとしない会話をしている。

テストも残すは1日となり.クラスでは喜びの声や文句を言っている人が絶えない。

「期末テスト最後だね。諦めずに頑張ろう」天草さんは笑顔で励ましの言葉を僕にかけてくれた。

「うん、頑張ろう」簡単に僕も返した。

テスト開始のチャイムが鳴り、皆一斉にペンを取りテスト用紙に答えを書き始めた。

4日間のテストも終わり、クラスでは夏休みの予定を立てている人がちらほら見え始めた。

テストが終わってから数日が経ち、テスト返却の日がやってきた。

「どうか、欠点がありませんように」と、手を拝みながら欠点回避を願っている人達が数人見える。

この学校は各教科で返ってくるのでは無く担任の先生が一気に返すシステムである。また、各学年上位50名は廊下に順位が張り出され、廊下が混雑する。テストともに成績表が返ってきた。

「欠点があった生徒は夏休み期間中補習があるので忘れずに来るように。そしてこの後、補習組は体育館で説明があるから絶対に行くように」神林先生はいつもと全く違う表情でそう伝えた。

「明日から夏休みですが羽目を外しすぎないようにリアと、しっかり課題をやって始業式の日に持ってくるように。では、解散。」笑顔で挨拶をして1年の前期の全てが終了した。

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