第6話 勉強会
バーベキュー会場に着き、前日に買っておいた食材を出し、先生と部長の挨拶を聞き、バーベキューを始めた。
「みんな、じゃんじゃん食べてね」と、先生は肉や野菜を焼きながら僕たちに勧めてきた。
色んな話をしながら時間を忘れるほどバーベキューを楽しんだ。食材の残りも少なくなり、バーベキューも終わりに近づいた。片付けをし、荷物をまとめ車に乗り込み写真部の1泊2日の交流会は幕を閉じた。
時刻は、7時をまわり、学校でみんなと解散し、天草さんと2人で交流会のことを話しながら月明かりに照らされながら歩いて帰った。
「天草さんが小説を書いていたのは驚いたよ」
「書こうと思ったきかっけは中学3年の時にライトノベルの小説を手に取ってそこから小説の面白さに目覚めて私も書いてみようと思ったの」
「僕は、天草さんみたいに小説は書けないし、如月さんのようにイラストも書けないし、部長みたいに作詞もできないし、水瀬さんみたいに風景画も描けないからみんなが羨ましいよ」
「そんなことないよ、倉岡君だってとても難しい問題解いていたけど私には解けないと思う。だから、そんな事言わないで。」
「ごめんりあんなこと言って。」
「それぞれ自分にとって得意不得意があっていいと思うの。お互いに理解することが大事だと思うの。」
「そうだね」と、僕は夜空を見上げ交流会のことをふと思い出した。しばらく歩き家が近くなり「じゃあね」と別れを告げそれぞれの家へと帰って行った。
翌日、午前8時23分僕のスマホに1件のLINEが届いた。ラインを開き、確認すると、天草さんからだった。
-今日、暇ですか?-と、ラインが来ていた
-暇だよ。-
-私の家で勉強しませんか?-
-家、行って大丈夫なの?親御さんとかいるんじゃないの?-
-両親はどちらとも会社の社員旅行に朝一で行っているので大丈夫です-
-わかった。何時に家行けばいい?-
-9時くらいでどうでしょうか?-
-わかった。9時だね-
-お待ちしておきます。では、また、後で-
準備を済ませ、手土産を買い、天草さんの家に向かった。インターホンを鳴らし、少しすると水色のワンピースを着た天草さんが「いらっしゃい」と、お出迎えしてくれた。
天草さんの家に上がるのはもちろん、女の子の部屋に入るのは人生で初めてのことで心拍数が高まる一方、天草さんは当たり前のように飲み物を差し出してくれた。
「ありがとう」気恥ずかしくなり、つい小声になってしまった。一緒に勉強をして教えあったりしてあっという間に辺り一面は日が沈み始めていた。
「僕、そろそろ帰るよ。今日は誘ってくれてありがとう。」
「あの、夜1人でいるのは怖いので今日泊まっていきませんか?」
「親に聞いてくる」一旦家に戻り、親に了承を得て、再び天草さんの家を訪れた。
「よろしくお願いします」僕のお泊まりが始まった。
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