第3話 新入部員

お姉ちゃんに天草さんと一緒に帰ってることがバレてから数日が経った。

毎日のように馬鹿にされて家にいること自体が嫌になってしまい部活が無い日でも夜遅く帰るようになった。

今は、4月後半であと1週間ちょっとでゴールデンウィークに突入しようとしている。

「暁輔、ゴールデンウィークは何をして過ごすんだ。俺は、バスケ部恒例のゴールデンウィーク合宿で福岡に行く予定だ。合宿と言ってもほとんど練習試合だけどな」

「翔也君、すごいね合宿だなんて。僕はついていけないよ。部活もないと思うからゆっくり過ごすよ」

翔也君とゴールデンウィークについて何をするか話していた時、天草さんが声をかけてきた。

「今、いいかな。ちょっと部活のことで話があるの」と、ちょっと気恥しそうに話してきた。

「翔也君ちょっと席外すけどいいかな」

僕と天草さんを冷やかすように「行ってこい」と送り出した。

「どうしたの」

「さっき部長さんから聞いたんだけどゴールデンウィーク中に部活のメンバーでどっかに行かないかって言われたのだけれどどうする」

「せっかくだし行きたいけど天草さんはどうするの」

「これは、強制では無いらしいから1回親に聞いて後日部長に伝えるつもり」

天草は不安そうな顔をしながらそう伝えた。

時間が経ち、放課後になった。今日は部活があり、天草さんと一緒に部室へと向かった。

「「失礼します」」

部室には部長と知らない女子生徒が2人いた。

「倉岡君と天草さんいらっしゃい。今、新入部員が入ったのよ」と、笑顔で僕らに伝えた。

「初めまして、1年4組の水瀬みなせあおいと言います。今日から宜しくお願いします。」

「同じく1年4組の如月きさらぎ 涼音すずねです。これからよろしくお願いします。」

「ということで、1年生4人も入ってくれてこの部も廃部は免れたのでゴールデンウィークに写真部のみんなで交流会をしたいと思います。」1人でパチパチパチと口で言いながら拍手をしている素振りをしている部長は何か楽しそうだった。

「時峰部長、永友先輩と笹塚先輩は今日は来ないのですか。」

「その事で話したいことがあるの」

さっきまでの明るい雰囲気から一変し沈黙が走った。

「永友さんと笹塚さんは実は写真部の部員じゃないの、いわゆる名前だけを貸してもらってただけなの。」

僕と天草さんは唖然した。

「今の写真部の部員は、私と、倉岡君、天草さん、水瀬さんと如月さんの5人だけなの」

「すみません。場の空気を悪くしてしまって」

「このことを黙ってた私が悪いのよ。謝るのはこっちだわ。ごめんなさい」

空気は静かな雰囲気のまま部活は終わった。

明日、交流会について話し合うことになった。

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