第2話 写真部での出会い

僕は、翔也君に言われるがままに写真部へと入部した。

そこには、天草さんの姿もあった。

写真部の部長は、時峰ときみね 咲雪さゆき先輩で、残りの部員は、永友ながとも咲良さくら先輩と笹塚ささつか美乃里みのり先輩の3人だけで廃部寸前だった。

部長はこの学校の生徒会長も務めており、とても優しそうな雰囲気が漂っている。

部長から、写真部について軽く紹介され、僕と天草さんは部室を後にした。

天草さんとは、一緒に帰りながら今日のことを話していた。

「倉岡くんはどうして写真部に入ろうと思ったの」

「僕、あんまし運動とか得意な方ではないから楽な部活無いかなぁと思ってたら写真部があったから入ったって感じかな」

「天草さんはどうして入ったの」

「私はね、お父さんが結構写真撮るのが好きで知らないうちに私も写真を撮るのが好きになっていったの。」

会話が途絶え、お互いに無口なまま横並びで夕日に当たりながらあるいっていった。

家が近くなり、「バイバイ、また、明日」と、天草さんは笑顔で僕にそう伝え僕も「また、明日」と伝え、その場を後にした。

自宅の玄関を開け、「ただいま」といいリビングに向かうとソファーの上でスマホをいじっている姉がいた。

「暁輔おかえり 今日はやけに帰りが遅いね」

「うん、今日は部活があったんだよ」

「なんだ、部活か。てっきり彼女とデートでもしてたのかと思ったよ。」

「なんで、デートなんて言葉が出てくるんだよ」

「よく、可愛い女の子と一緒に帰ってるじゃない。」

「なんで、天草さんのこと知ってるんだよ」

「へぇーあの子天草さんって言うんだ。いいこと聞いた。」ニヤニヤして僕の方を見てくる。

その場にいることが恥ずかしくなり、部屋へとにげた。

その日から、姉ちゃんは、僕のことをバカにしてくる。

次の日の朝、姉ちゃんと顔を合わせないためにいつもより、早く学校に向かった。

後ろから、「倉岡君、おはよう」と肩をポンポンと叩かれ、振り向くと、天草さんがいた。

僕はとても嬉しかった。天草さんから声をかけてきて一緒に学校に行けることが嬉しかった。

「おはよう、天草さん いつもこんな時間に学校に行ってるの」

「昨日、お姉ちゃんと喧嘩しちゃってなんか家にいるのが気まずくて早く家を出ちゃったの」

「倉岡君は、いつもこんな時間に家を出てるの」

「いや、僕も昨日、姉ちゃんと嫌なことがあって顔を合わせたくなくて早く家を出てきたんだ。」

「私と一緒だね」そっと微笑みかけて昨日起こった怒りがあっという間になくなり、僕の唯一の癒しになった。

一緒に、昨日あったことなど話しながら学校へと向かった。

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