再出発



家の件は、じいさんに全部任せて。



私は、おっさんと一緒に手掛かりを探した。




金はある。それに、、



私が口出し出来る事は、何も無い。




出来るのをずっと側で見ているのも悪く無いが。



目の前の問題から逃げていても仕方がないのだから。




"管理院"




又の名を、




『影の王』




と呼ばれる者達。




じいさんの話しでは、管理院とは、



貴族を束ねる役職みたいなものだそうだ。



けれど、それは表面上の肩書きであり。



裏では王を影から管理しているという。




そう言った事から、影の王と呼ばれ始めたらしい。




彼等の目的は、人数は、、




まずは、それからだ。



必ず見付け出して、喪った代償を払わせる。




管理院には、既に目をつけられていて、



ブラックリスト入りしているみたいだ。



管理院「奴だ!!



捕まえろ!!」



おっさん「ちょっと、、



有名し過ぎやしませんかい?」



「まあ。仕方ねえだろ、、」




行く先々で、追い掛けっこが始まる。




なるべく戦闘は避けたい。



何しろこっちには、戦力がないのだから。



おっさん「はあはあ、、」



「情報収集も。



甘くはねえな、、」



おっさん「あはは



少しは、、分かって、貰えた様で。」



慣れた様に、路地裏へと隠れたが。



呼吸を整える隙も無く、次の問題は現れた。




「楽しそうだね??



君が。ネクロ君かい?




一体。



何をしたら、こうなるんだい?」



薄笑いする男に、警戒する。



会った事は無いハズだ。




それに名前も。。



どうして、、




「あんた、、誰だ。




管理院か?



それとも貴族か?」



ナイフを構え、おっさんを庇う。




男「嫌だな、、



そんな危ない物。。」



一瞬にして、後ろに付かれ、



おっさんは倒れていた。



おっさん「ぐっ、、。」



「おっさん!!」




ナイフは取られ、形勢が逆転する。



「へえ。



加護持ちかい。。




君。異世界人なんだね、、」



明らかに私より強い。




正直舐めていた。



力の差があり過ぎる、、




こんな相手が居ることすら。



考えて居なかった。




"うかつ"だった。




この男の前では、、



私は赤子だ。。




男「ほいっ。」



男から、ナイフを返される。



男「おっさんさん。



悪かったね?蹴って。




でも、それじゃあ。




大切な人は守れないよ?」



おっさん「ぐっ、は、、



ダンナ、、申し訳ねえ、、」



「ああ。



大丈夫か?




、、何が目的なんだ。」



男「うん、、。



目的ね。。」



男は、歩き出す。



男「何がしたいかは君が決める事であって。



僕の目的では、無いんだよ。




演奏は既に始まってしまった。




誰も彼等を止める事は出来ないし、



誰も彼等を咎める事さえ、出来ない。




でも、君なら。




何かを変えられるかも知れない。




あぁ。




それが、僕の"目的"なのか、、」



独りでに話し出すと、ナイフは再び無くなり、



上へと投げられた。




カキン!!



ナイフは空中で何かに弾かれ、壁に刺さる。




男「また借りちゃったね、、



ごめんよ?




代わりと言っちゃなんだけど。



、、これ。」



手には手紙があった。



「何だ、、これ?」




男「この先の橋を渡ってしばらくすると。




山の中に大きな木がある。



山は深いけれど、君なら大丈夫だろう。。




根元にポストがあるから、そこにこれを入れてみて?



君の探してる、"鍵"となる者達に会えるよ。」



男はそう言うと、次は屋根の上に居た。




男「これから、大変だけど。



見ててあげるから?




頑張ってね?」



おっさんからナイフを渡される。



おっさん「そんな所で声なんか出したら、、」



管理院「居たぞ!!!」




おっさん「あぁああ、、




ダンナ。行きましょう!」




強大な力は、突風の様に吹くと



爪痕だけを残し、去って行った。




「何だったんだ、、」



引っ掛かるものがありながらも。



言われた通りに、進むと橋があった。




おっさん「罠かもしれませんけど、、



他に宛が無いですしね、、」



「ああ、、。」



橋を渡り、山の大木を目指す。




















男「嫌だな、、。



もしかして、僕を監視してるのかい?




いや。



君も彼に、興味があるのかな?」



?「ネクロと言ったか、、。



彼は何者なんだい?」



男「さあ??それより。



会議に出席しないのかい?



後でぐちぐち言われるよ?」



?「君も。



だろう?」




男「僕は良いのさ。



全てを知っているからさ。




それよりも。君。



大切な人を、覚えているのかい?」



?「、、何の話?」



男「いや。



まだ分からないなら良いのさ。




いずれ分かる事だから。




君は、選ばなくてはならない。



それが、例え。間違っていても。」



?「もし、間違っていたら?




君は、どうする。」



男「問題なのは、僕ではない。




君の与えられた時間なのだから。



それを君は君の自由に使うべきだ。




話しが長くなっちゃったね。



じゃあね、、。」



?「、、。



彼は何を知っている。




そして。ネクロ、、



君は、一体。



何者なんだ。




私は、、



何を選ぶというのだ、、




実に、興味がある。」





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る