街を渡り歩き、建築が出来る奴を探す。




おっさん「ダンナ、、。」




小さな声で耳元で囁く。




「どうした。」




おっさん「なんか、、




俺達。見られてませんか?」




「あぁ。




まあ、珍しいんだろうよ。




それに、、。






ほら。」




街の至る所には、張り紙が。






『この者等は極めて危険であり、




執拗残虐極まりのない、冷酷非道な者である。




見付けた者等は直ちに離れ、




最寄りの管理院まで速やかに連絡を、』






おっさん「あちゃあ、、




ここは管理院の"口の中"でしたか、、」




「そういう事だ、、」






ひそひそひそひそ。




ひそひそ。




小さな声で悪口をよくもまあ、、






まるで、バレていないかの様に、




視線を送りながら"いかにも"話す。




「他にやる事が無いのかねえ、、




暇人な事だ。」






わざとらしく。いや、、




バレてませんよアピールをしながら、




わざわざ人の聞こえる範囲で、




とんだ茶番劇を楽しんでいる。






「文句があるなら、




目の前で言えばいいのに。






"糞が"









大体そんな奴等に限って、面と向かったら、




糞「私はそんなこと言ってない!」




とか、、




糞「は?何でもねえから。




気にしすぎだろ笑」




とか。




終いには、




糞「そう言われるのには、何か。




原因があるんじゃないのか?」




とかゆう






"糞みてえな言い訳"






しかしねんだからよ、、






あーじゃねえ。




こーじゃねえ。






まるで自分達は、




"何もしていない"




かの様に、、






よくもまあ。他人様の事が




そんなーーーーーーーにも。




気になっちゃうもんだなあ、、






こっちゃあ、何とも思っちゃねえのによ、、






"干渉してくんじゃねえ。糞"






本当に、、






人間は、『大ッ嫌いだ。』






シネバイイノニ。






おっさん「有名なのも、、




考え様ですね。」




そう、気を紛らわすかの様に、




私の顔色を伺う。






いつもそうだ。




私は、、私の怒りを、




制御する事が難しい。






ドクドクと鼓動が高鳴り、




頭が熱くなると、




そいつを潰したくなる。






抑えられた感情は、ゆっくりと。




深く、暗い。歪な場所へと沈んでゆき、




それは、"ストレス"となり、私の体へと、




毒物として溜まってゆく。






別に、、。コイツらを皆殺しした所で。






そんな事を頭の片隅では、考える。




実際に殺らなきゃ何も問題にはならない。




頭の中で、ゆっくりと、殺す。




じわじわと、泣き叫び、助けを求めたとしても、




その時にはもう、手遅れである。。






前世では、これらを






"サイコパス"






とでも呼ぶのだろうか、、






いや、、




私からすれば。いい歳して、




中身は全く成長出来ない。




そこら辺の人間様の方が、




よっぽど。




サイコパスだと思う。






人通りの少ない場所へと行くと、




嘗てのおっさんの様な奴等が




ゴロゴロと居た。






表は綺麗で、いかにも幸せそうな絵面。




様々な物が売られ、綺麗な物で溢れている。






裏は貧困で、飢えた者等や、




日が当たる事を拒絶された者達。




瞳の輝きは今や閉ざされ、




夢や希望からも見放されていた。






おっさん「建築出来る奴は居るか?」




横たわる者の一人におっさんは尋ねた。




「あぁ。前は居たんだがな、、」




水分の無い様な枯れた声。




顔を布で覆っているから、




容姿は分からないが、




きっと、声からしてじいさんだろう。






それは手を仰ぎ、金を要求する。




話してやるから見返りを寄越せと。




おっさん「ん、、」




じいさん「この街は、ちょいと昔には、、




そう言った奴等も、少なくはなかったわなあ、、






だが、管理院とか言う奴等が来てからは、




建築する事"自体が"許されなくなったんだ。」




ん?




建築すらも牛耳ってるって事か、、?




「どうゆう事だ?」




じいさん「お前さん。見て分かるだろうに、、






建物を建てられちゃ、そこへ集まっちまう。




すると、どうだ?




反逆。




されかけねえだろうに?






前は威勢のいい奴等が、




『ギルド』




とか言う。




馬鹿な集まりを作ってたもんだ。






建物は、人を集め、人を守る。




建物は人を繋ぎ、人を育む。






名ばかりの民の王は、、




今や管理院のご機嫌取りでしかねえ。」




ヤブから聞いていた話と、




事実。




は、違う様だ。




「管理院が一番偉いのか?」






体勢を変えた時。




ふと、顔が見えた。




目には刃物の傷らしき後があった。




じいさんは私に見られたのを察すると、




それを再び隠す様に覆い、話を続けた。




じいさん「そう言う事だ。




皆は、、




"影の王"




と呼んでいるよ、、」




おっさん「それで、、建築、、」




じいさん「いねえよ。」






誰かに見られている。




そう気付く前に、じいさんは態度を変える。




おっさん「え、、?」




じいさん「居ねえっつーんに。




余所者は帰りな。






しっし。」




おっさん「そりゃねぇよ、、」




「行くぞ。」




おっさん「ダンナァ、、、」






振り返り際に、じいさんが目で合図をした。




路地には貴族の下っ端だろうか、、




バレない様に隠れていたつもりの様だ。






「あの。じいさん、、




多分。家建てられそうだな、」




おっさん「あっ。




気付きましたか?






それに、、付けられてますね。」




「やっと気付いたか、、」




おっさん「あははは、、






人気者はツラいですねえ、、」












































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