仄か
押し付けた奴等の治療が終わると、
呼び出された皆は、家へと帰って来た。
そして。皆は、私を見つめる。
哀れんだ目をしながら、
女はどうするのか、尋ねた。
私は、応えた。
「この家。
角と共に燃やすわ。」
しばらくの間、沈黙が続いたが、
女が再び口を開いた。
「もう、、帰る場所が。
無くなるって事、、?」
ちっちゃいの「主、、。
サヨナラ、、するですか、、」
犬「、、残念です、、」
皆は感傷に浸る。
おっさん「えーと、、、。」
そんな空気に。つい、
堪らなくなったおっさんが、喋り出す。
おっさん「確かに無くなりはするが、、
新しく建てるんだ、、よな?」
「おぅ。」
ちっちゃいの「あるじぃ、、、」
ちっちゃいのは私へと抱き付いてきた。
女「そっ、、そうだと、思ったわよ!」
女は後ろを向いて、顔を隠す。
犬「新しくするのですね!
素晴らしい事です!!」
尻尾を振りながら嬉しそうにする。
女「ってか、紛らわしいのよ!
、、んで。
何でおっさんが居んのよ。」
「こいつも今日から家族だ。」
おっさん「、、、。ダンナ。」
おっさんは目頭を熱くする。
おっさん「こんなおじさんですが、、
よろしくお願いします、、」
深々と頭を下げる。
女「ふんっ、迷惑だわ。」
照れながらも、ちゃんと答える。
ちっちゃいの「よろしくです。」
優しく頬笑む。
犬「うぬ。」
まるで、何かのホームドラマの様なシーン。
角と一緒の。
"皆との。最後の時間"
まるで、角が。
今でもそこで生きているかの様に、、
もう、そこにはない。
嘗ての角の影を、私は見つめる。
犬「それで、、具体的には、、」
心配そうにする犬に、きちんと経緯を説明する。
角がやりたかった事。
角の意思を尊重する為に。
皆の家を、住みやすくする事。
皆は喜んだ。
哀しみに囚われない様に、、
一通り、荷物を出し終えると、
角の周りに、花をそれぞれに置き、
皆で一緒に、火を着けた。
嘗ての"忌まわしき場所"は、
赤く。激しくも、燃え上がった。
角に。この場所に。炎に、、
皆はどういう想いを乗せたのだろうか、、
それぞれの想いは、激しくも、、温かく。
天高くへと、燃え上がって行った。
しばらくの間。皆はヤブの所で、世話になる。
今までも度々そうだったのだが、、
まあ、、いつも通りだ。
ヤブには後できちんとお礼をしなければな。
管理院の息がかかり、
街はゆっくりと、変わって行った。
貴族の件があった為か。
通常通りではないのだろうが、着々と。
工事は進んでいた。
私とおっさんは情報収集と、
建築の出来る奴を探しに行く。
私は私達だけの居場所を作る。
そして、、角の"礼"をしなくては。
皆が、皆の。やりたい事が出来る様に、、
もう、、誰も。
"悲しまない様に"
その為に、、私は。
悪魔にでもなろう。
もう。家族は、
『ウシナワナイ。』
グシャッ、、グチャッ、、
「糞、、人間め、、、
許さねえぇ、、、」
ペッ、、
「俺らに"した罪"。
きちんと、償って貰おう、、か。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます