深い闇



管理院の場所を炙り出すのに、




そう時間はかからなかった。






建物に警備等は無く、誰も居なかった。




ここは奴の歪んだ癖の秘密の場所。






おっさん「罠かもしれねえぜ、」




「いや、早く助けださねえと、、」




犬「人の気配は感じません、」






警戒をしながら、




ゆっくりと扉を開けていく。






私達は、用心棒としてか、




愛玩具としてか、




臓器としてしかの存在価値しか




与えられてはいない。






用心棒は力を求めらられ、




殺しや、護衛を強いられる。




愛玩具は拷問を含め、




歪んだ性欲の処理を強いられる。




臓器は本人の意思等に関係無く、




一番大切に扱われれ、




気付けば誰かの一部になっている。






上げた悲鳴は届く事等無く、




それは、空しくも。






誰かの喜びへと変わる。






何度、産まれた事を憎んだか。






生を歪ませ、




歪ませたか、、






"人間が。嫌いだ"






唯一、施錠された牢獄は、




異臭が漂っていた。






おっさん「惨いな、、






同じ人間がする事とは、




思えない、、」




檻には囚われている奴等が沢山居た。




衰弱している者や死んでいる者、、






「角、、、」




数ある中のひとつに角は居た。




ガシャッ、、




犬「まだ、、息は、、微かに、






拘束を外してあげましょう、、」




ゆっくりと、角は降ろされる。






「角?




角、、、






角!!」






目が開いているのか、




開いていないのか、、




それすらも分からない程。




顔は面影すら残していない。






それは、、ゆっくりと。




微かに聞こえる様な声で、、




壊れた音を無理やり出すかの様に、、




少しずつ、放つ。






角「、、主?、」




「あぁ、、わりぃ、、






遅く、なったな、、」




角「いえ、、、






本当は、、私、、






皆さんと、






仲良く、したかった、




です、、」




「そうだったのか、、






ってっきり、お前は、




そうゆうのが嫌いで、、




一人で居るの方のが、




好きなのかと、、






それか、




ネクラなのかも知れない。




とか思ってたぜ笑、、、」




角「あは、はは、、






皆で、、」






吐息のような言葉は、




ゆっくりと。




静かに終わりを告げた。






「、、、、、






"コロス"






『コロシテヤル』






コロスコロスコロスコロスコロス。






コロス。コロス。」






トントン、、




犬に肩を叩かれた。




犬「場所を、変えましょう、、」




「、、すまない、、」






暗く、深い闇は、私を。




しばらくの間、




離しはしなかった。






主の目は完全にイっていた。




完全にアレは、




"狩る者"




の目をしていた。






それからしばらく主は、




角さんの側に寄り添った。






私と彼は残りの者達を解放し、




軽い手当てを施した。






姐さんから基本的な事は教えられていた。




姐さん「そうよ、、






ゆっくり。




手を回して、、」






彼等に果たしてその処置が正しいかまでは、




私には分からないが、教わった様には出来た。






「お前は、、何故。




人間と、居る、、」




檻の中に居た一人に、




そう、言われた。




「飼われて、いるのか?」




犬「私に"首輪"等。




付いてはいない、、」




「ふふふ、、




違いねえや、、」






おっさん「ひでえな、、




大丈夫、、か?」




「人間にも、いい奴が居るんだな、、」




おっさん「いい奴か、、






俺は、そんなんじゃねえよ、、」




「ありが、とう、、」






ちっちゃいの「あるじぃ〰️、、」




ちいさいのはダンナの元へと駆け寄る。




だが、状況を理解して、言葉を失った。






街で世話になった奴等は、




恩を返すかの様に、




囚われた者達を次々に街へと運んだ。






「ぐわぁあ、、」




中には助けられた事に気に食わない奴が居た。




弱った体で、人間を。自らの力で捩じ伏せた。




「触るんじゃねぇ!!




、、殺すぞ?」




ずっと黙ってたダンナはそいつの所へと動き出した。




ザザ、ザザ、、




項垂れながら目の前まで行く。




「寄るな糞人間があ!!!」




そいつの攻撃で、ダンナは怪我をしたが、




それを気にする事等無く、胸元を掴むと、




深く、ゆっくりと顔を覗いた。






するとそいつは、ただ、怯えながら、




静かにちいさいのの手当てを受けた。






主は皆を屋敷から出すと、




火を付け、立ち尽くした。




顔は怖くて見れなかった。




声をかける事すら、




気が咎める程に、




主は火の中をひたすら見つめた。






知らない誰かの遺体は




皆で近くに埋めた。




角さんの遺体は家へと持って帰る。






おっさん「ダンナ。






そろそろ、、」




「あぁ、、」






燃え盛る炎の中で、




様々な感情と思考が駆け巡り、




自分が今。何処に居るのかも




分からないくらい、




煙と共に舞い上がっていた。






『復讐』






それは、沸々と沸き上がり、




大きく弾けた歪な塊は、




私の中の鎖を壊した。






















































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