理由
都市は沢山の人混みで溢れている。
大きな場所には街には無い、別の情報網がある。
きっと、"角さん"の居場所も分かるだろう、、
にしても、ダンナは相手を選ばないと言うか、、
ぶっ飛んでやがるぜ、、
異世界に来たものの、
大した旨い話も無く、
ただ歳を取り、盗賊になった。
盗賊と言うか、追い剥ぎと言うべきか、、
底で、俺は生きて来た。
法律なんてのモノは存在しない。
ただ、上にさえバレずに、
上手くやっていけば良かった。
適当に戯れ、群れる事で俺は安心した。
毎日。その日を生きて来た。
いつか殺される日が来ると、
自分でも自覚はしていた。
そりゃ、悪い事をしていればそうさ?
この世界に神が居るかどうか。ではなく、
御天道様は当たり前の様にこの世界にも存在し、
俺の中で宗教は存在する。
その時点で居なかろうが、信仰されてなかろうが、
宗教ってのは成立しちまう。
俺はきっと裁きを待っていた。
自分がしてきた事に。
犯した罪に対して、、
そして、遂に、裁きを迎えたかと思った。
あの時。
ダンナに"殺されるハズ"だったんだ。
だが、俺は殺されなかった。
つるんでいた奴等は目の前で、次々と。
意図も簡単に死んでいった。
俺はただ、唖然とした。
自分の足が震えて動かなかった。
死を待っていた俺は、死等望んではいなかった。
ダンナは俺を見透かして居た。
俺のナイフはオモチャでしかなかった。
そうして、また一人になった。
何をすれば良いか、
どうしたら良いのか、、
この歳にして、分からなくなった。
完全に自分を見失った。
「俺は、何がしてんだろうな、、」
そんな中。
再びダンナと会った。
街には悲鳴が響き渡る。
死の臭いは、恐怖心を煽った。
急いでその場から逃げた。
いや、身体が勝手に動いていた。
"逃げろ"
部下3「あれれぇ、、
おじさーん。何処行くの~?
僕と遊ぼうよ?」
人通りの少ない場所へと逃げたが、
残念ながらそこを狩り場にしていた者が居た。
おっさん「あはは、、
僕、、?
見逃して、くれないかな?」
部下3「いやいや、、
見逃すとか、、
"アリエナイ"」
少年は、血にまみれた姿で、
いっきに間合いを詰めてくる。
ナイフで防御するも、
戦闘慣れした攻撃は防ぎきれず、
肩の方へと流された。
おっさん「ぐっ、、、」
部下3「あれ。
おっさん防いだね、、」
ドクドクと鼓動する様に、
痛みが襲い、血が滴る。
おっさん「少年。
何で人殺しなんて、、」
その問に少年は笑みを浮かべながら応える。
部下3「あ、はっはっはっは、、
何で?
んー。
人殺を殺すのに"理由"がいるのかな?」
少年は楽しそうだ。
きっと彼にとって"それ"は、
遊びでしかないのだろう。
部下3「おっさんつまらない。
僕を楽しませてよ!!」
きっとここで終わる。
俺は死ぬ。
そう、目を閉じた。
が、痛みは感じ無かった。
おっさん「、、んっ?」
ゆっくりと目を開けると、
そこには、スラッとした背中があった。
しっぽ、、
犬「ここらで暴れられては困る。
どうか、違う場所でやってくれないか?」
部下3「お兄さん。獣人?
いや。愛玩具?」
犬「どちらとも正解だが、、
承知してくれた。と、
とっても良いのだろうか。」
部下3「はははははっ、、
犬っころが、対等に。
人間様と口を聞くんじゃねえよ!!」
少年は犬に襲いかかるが、
一瞬にして、敗北する。
犬「ぺっ、、」
俺は後退りする。
敵わねえ、、、
逃げようとすると、
肩に手をかけられる。
犬「怪我をしているではないか、、?
治して行くといい。」
その時は正直。漏らすかと思った。
おっさん「あははは、、
金無いんで、、
あの、さっきはありがとうございました、、」
犬「いえいえ。
成り行きだったもので。
金は取りはしない。
だから治療していくと良い。
逆に邪魔してしまって申し訳ない。」
紳士的な話し方と、さっきの姿では、
恐ろしくかけ離れて居て、
何だか不思議な感覚になった。
あんちゃんとの出逢いはこんなんだった。
結局俺は2回も命を救われた。
1回目は"見逃して貰った"
の方が正しいかもしれないが、、
更にはあんちゃんの主がダンナだったなんて、、
世界は狭いもんだ。
おっさん「なあ、、?
あんちゃんは何でダンナと居るんだ?」
犬「何で、、、
何でだろうか、」
そんな事考えもしない。
何で此処に居るのかも、、
何で彼を探しているのかも、、
もしかすると私は、『理由』
を探して居るのだろうか、、
いや。
理由ならもうある。
その答えは
"あの方に拾われた"
からだ。
私も、彼等も。
皆そうだろう、、
私は捨てられるまで、、
主の側で生きよう。
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