後悔



私は種族で言うならば、




巨人や、トロール等に




部類するのであろうか、、






自分が何なのかは、




正直分からない。






私達は、"戦闘部族"と呼ばれ、




護衛や、用心棒。殺しや、




闘技場等での見世物として、




金銭を稼ぐ事が多い。




だが、中には、




私達が普通よりも丈夫な為、




"歪んだ癖"を押し付ける者も居る。






そう。




『拷問だ』






私は痛みを感じない訳ではない。




だが、私には普通が分からない。




私は痛む。痛く。痛み。痛い。






痛みを訴え様が、その言葉は意味を成さない。






「痛い、、痛い、、痛い、、痛い、、」






私が苦痛な表情を見せると、主は喜んだ。




体は腫れ、血を流し、痛む。






何で私はこうなのか、、




どうして私はこんな扱いを受けるのか、、






微かに光が射す。




チュンチュン、、チュン、






あぁ、私にもあの様に、翼が在れば、、




自由に、好きな所へと、




行く事が出来るのだろうか、、






私の身体は鬱憤を晴らす道具ではない、、






この鎖も、拘束具も、私の角さえあれば、




壊して、逃げるのも可能だっただろう、、






毎日が絶望に近く、希望すらも薄れた。






何十年間、何万回傷付けられただろうか、、






私の身体はここにあったが、




心はもう、そこには無かった。






あの日。




『主が死んだ』




新しい主の手によって、






「あーぁ、、




うっとおしいわ、、」






新しい主は私達奴隷を解放した。






そうして、主が稼いだお金を、




私達奴隷に分け与えた。




「ほら。




次は捕まるなよ?」




皆は次々に帰って行った。






帰る。






私に、"帰る"場所があるのだろうか?




ただ、渡された袋を見つめる。






「お前。




好きな所に行って良いんだぞ?






拷問されて、可哀想に、、






もっと早く助けてやれば良かったな。




ごめんな、、」






主は謝った。






謝る。






『ごめん』






今まであったはずの『心』が、




私の"在るべき場所へ"と、




戻ってきた気がした。






「帰る場所が無い。」




私は久しぶりに会話をした。






それが正しかったのか、




ちゃんと対話になって居たのか、




それすらも、わからなかったが、




新しい主は話した。






「そか、、




まあ、何処へ行こうが、行くまいが、




全部お前らの自由だ、、好きにしろ。」






そう、言い私達に、




住処を与え、食事を与え、服を与えた。






その光景は"異様"に思えた。






皆が平等に、暴力を受けず、




同じ空間で、一緒に食事をする。






食べ物に慣れなく、吐く者も居た。




「うぇっ、、」




新しい主「あぁああ、、」




新しい主は怯える者に優しく接し、




汚物を片付ける。




「ごめんなさいっ、、」




暴力を振るわれて居たのだろう、




近付く新しい主にすら怯える。




「これ、あんま旨くねえよな??






好き嫌いあるし、、仕方ねえよ。






腹へったらまだあるから自分で食べな?」




「うっ、、うっ、、」




ただただ泣いて、泣き尽くした。






優しさからは程遠く、




狂気に満ちた愛は今は無い。






優しく差し伸べられた手は、




穢れてしまった、心は、




その優しさに反応を起こす。






それは"涙"へと変わって、、






皆は次々と出て行った。






こうして、私と彼女と小さいのは、




新しい主の元に居座った。






管理院「庶民に伝わる"お遊び"が、、




こんなタイミングで体験出来るとは、、」






私は再び悪夢を見る事となった、、






拘束され、玩具へとされる。




「痛い、痛い、痛い、痛い、、」






こんな事なら、、




"あの場所に居なければ良かった"






そうすれば、、、






いや。




私には、、






そもそも、、






"帰る場所等無いじゃないか、、"






新しい主に。




新しい"普通"に。






私は憧れていた。






地獄の様な場所は、、




居座りたくなる程。






"かけがえの無い場所"




へと、変わって行った。






帰りたい、、






家に。




帰りたい、、






新しい主の場所に、、








新しい主「犬と角はどうする?」




犬「では、私は留守番を致します。」




「行き、たい、です。」




新しい主「あいよ。




まあ、たまには良いよな。




何か欲しいモノでもあるのか?」




「花を、育てて、、




動物を、飼いたい、、」




彼女「あんたには似合わないけど、




良いんじゃない??」




小さいの「素晴らしい事です。




食べ物を育てられれば、




お金が浮くですよ。」




新しい主「そりゃ、すげえや。




角。頼むぞ?」




「はいっ」






そうやって話をすれば良かった。




皆と仲良くしたかった。






翔べないと思い込む私には、




"例え、翼が生えて居たとしても"




自由に空を翔ぶ事等、




到底出来なかったのであった。
















































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