思い出



治療は粗方済んだ。



亡くなった者も、沢山居た。




動ける者は、物体を集め、



火を付け、燃やした。




街は崩壊し、嘗ての面影すらも



ソコには無かった。




周囲には、異臭が漂った。




貴族は皆に、袋叩きにされている。



皆は家族を失い、友を失い、仲間を失った。




貴族の悲鳴は響き渡り、



いつしか、声はしなくなった。




「何事だ!!」



偉そうな服装に、威圧的な態度。



「私は、管理院だ。




この有り様は何だ、、」



鼻を塞ぎながら、言う。




管理院「お前。




説明しろ!!」



私は不運にも絡まれた。



「いや、、何か、襲撃されて。」




ヤブに言われていた。



ヤブ「これから管理院が来ると思うわ、、




貴族よりも、管理院のが偉いんだけど、



今回の件にはその管理院も関わっているの、、」



治療しながらヤブは話す。



「管理院だの貴族だの、、



市役所と上級国民みてえなもんか?」



怪我人の治療を手伝いながら会話をする。




ヤブ「アンタ、分かりやすい例えね、、



まあ、そうね、、




何処の世界も管理する者が居て、



偉そうに、上からモノを言う者が居るのよ、、




おしまいっ、、



次。」



「はあん、、」



前世では大変。御世話になった。



無論"悪い"意味で、、




態度が糞程悪く、対応も酷く、悪い。



始めに言っとくが、



何も、"様扱い"しろとは思ってない。



人として、"普通に"して欲しかっただけだ。




業務に連携等無く、ある者は、



"モラル"の欠片すらも無かった。




言い訳を繰り返し、



『ごめんなさい



すいませんでした』



等は口が裂けても言わなかった。




精神的に追い込み、まるで、



「早く死ねよ、死ね!死ね!死ね!」



と、言われているかの様に、



死へと追い込まれた。




死因はそれだけでは無かったが、



大きな要因にはなった。




私はハズレを引きまくったのだ。



無論。全ての者がそうではないのかも知れない、




だが、私の対応する者はそうだった。



まるで"塵"を扱うかの様に、



対応されたっけか、、




悪い思いを思い出す、、



ヤブ「管理院はこの国で2番目に偉いの。



国王。管理。貴族。民。みたいなもんね。」



「じゃあ、奴隷はそれ以下ってか?」



ヤブ「そうよ、、」



「気に入らねえ、、な」




結局、今も昔も、



対応は"奴隷"のまま。




ポディションが変わっただけだ。




ヤブ「管理院は敵に回さない方が良いわ、、




まあ、貴族に手を出した時点で、



管理院がセットで付いてくるんだけど、」



「めんどくせえ、、



管理院は何が目的なんだ?」



ヤブ「貴族を利用して、



ここら一帯の民を一掃し、



彼らの自由の場を広める為よ。」



「はあ、、」




結局、皆。



自分の利益や自分の事だけ。




他人を敬う等、



言われたらどう思うか等、



自分がやられたらどうか等、



関係無い。




仕事したくないから罵倒し、



弱い者を虐め、



周りはそれを容認する。




悪気等無い為、『謝罪』は、



当たり前の様に存在し無い。




ヤブ「だから、穏便にね、、




って、もう遅いか、、



私が巻き込んじゃったわね、、




ごめんなさい。」



荒れ果てた街と、皆と、私を見る。



「まあ、良いさ、



お互い様だろ。」




ヤブ「この街ももう終わりね、、




管理院の息がかかったら、



そこはもう、"オシマイ"なの、、




結構。嫌いじゃ無かったんだけどな、、」



寂しそうに遠くを見つめる。




「なあ。



どうすれば変わるんだ?」



立ちあがりながら空を見上げる。



ヤブ「どうするって、、




皆を逃がすしかないわ、、




私達みたいなもんは、そもそも



留まる事何て出来ないのよ、、




ずっと何処へ行くしか無いの、、」




管理院「お前!!



聞いているのか、、」



「へいっ、、」



糞が話す下らない話等、



到底頭に入って来る事等なく、



ヤブの寂しそうな顔を思い出す。




管理院「えぇい!!



貴族は何処へ行った、、




何だこれは!!」



角に付けた貴族の服が、



管理院の目に止まった。



管理院「貴様、、




貴族を殺りおったな、、」



角「やって、、ない、」



管理院「こやつを捉えろ!!!」



「まて、、」



管理院「お前もだ。




お前、奴隷商だろ?




この2人を連れていけ!!」




こうして、一連の騒動は、



角と私が元凶となり、



民を人質に捕らわれた私には、



出来る事等、何も無かった。




「角に付けなきゃ良かったな、、」




角は鎖で引きずられ、悲しそうな顔をする。



ごめんな、、




王都まで、休憩無しで私達は歩かされた。




ようやく着いた頃には、



日付けが変わろうとしていた。




「入れ!!」



私は監守に投げ飛ばされる、、



「いってえな、、」



そこは異臭が漂い、



日の光等入らない場所だった。



監守「大人しくしていろ!」



牢を棒で叩く。




「もう一人のは?」



監守「アイツは別の所だ。



黙れ!!」



カンッ、



糞、、




角の居場所もわからない。



ここが何処かも分からない。




時間すらもゆっくりと進む。




退屈な時間はただただ流れ、



昼間思い出した嫌な記憶を、



私は再び狭い牢の中で、



再び思い出すのを堪える。















































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