物体



「お前、、臭い。」




部下2「あん?






何だと、、」




女を突き飛ばすと、




男は突っ込んで来た。




「角。生きてる奴等を




医者ん所に連れて行け」




角「医者分からない、、」




「じゃあ、纏めとけ。」




角「はい。」






部下2「話してるなんて




随分と余裕だな?」




刃が肩を切る。




「あらら、、」




部下2「お前。何だ?






相手は貴族だぞ?




頭狂ってんのか?」




そうだな、、




普通に考えたら、面倒事に




わざわざ顔を突っ込むのは、




"頭が狂っている"




に該当するだろう。






だが、私には関係無い。




地位があろうが、




金があろうが、




男だろが、女だろが、






"どうでも良いのだ"






誰が敵になろうが、




どう思われ様が、、






動く方法を無くしたモノは




ただの物体にしかならない。






部下2「助けてくれ、、」




助けを乞う者を、




死にかけの虫を踏み潰すかの様に、




私は無慈悲にも止めを刺す。




貴族「貴様!!




何をしている!!」




偉そうな態度で、




それらを始めた元凶は、




まるで私が悪いかの様に言う。




「お前が元凶か?」




ぞろぞろと連れた、金で雇われている者等を、




自らの手の様に、物。同然に扱う。




貴族「始末しろ。」




複数の物は私を囲む。






少し前まで確かに人であった物は、




一瞬のうちに物体へと変化した。






汚い液体は空へ飛び、




辺りを赤く染めた。






貴族「お前、、何者だ、、」




震えながら腰を抜かす者は、後退りをする。




「何者でも無いな、、」




貴族「私は、、貴族だぞ、」




「貴族ねえ、、」




物体から金目の物を取る。






貴族「こんな事が許されるとでも?」




起き上がろうとする塵を蹴り倒す。




「お前らってさ、、




何でいつもそうなんだろうな?」




貴族「ど、、どうゆう事だ。」




「はあ、、」




体を落とし、目線を合わす。






「お前らは、蔑んで、搾取して、




そうやって塵同然の様に私達を扱う。






それが都合が悪くなると、どうだ?




私達に責任を押し付けたり、




知らない振りしたり、、




終いには、、




こんなの事が許されるだ?






舐めてんじゃねえよ?」




貴族様の指を切り落とす。




貴族「うぎゃあああ、、」




貴族は暴れまわる。






ドスン!!




地響きと共に何かが潰れる音がした。




「角?」




角は下を見つめる。




角の手には血が滴る。




貴族の上着を切り、




角の腕を拭く。




「大丈夫か?」




角「大丈夫、、」






多分部下だろうか、、




首から上の原型が無い。




角つえぇじゃん、、




「そいつ殺さないで見ててくれるか?」




角「はい、、」






医者に行って、




治療出来る奴をしてもらわないと、




「犬、大丈夫かな。」




道には沢山の物体が転がっていて、




中にはまだ息のある者も居る。






医者の前では血を浴びた犬が居た。




「犬。」




私の服を破り、犬を拭く。




犬「主。






お怪我は?」




「大丈夫。




犬は?」




犬は嬉しそうに尻尾を揺らす。




「大丈夫です。何人か入ろうとした者が居て、




処置を出来る者は、ちっちゃいの様が。」




犬にやられたであろう物体は、




所々が噛みちぎられていた。




皆つえぇな、、




「女は?」




犬「女は医者様の手伝いを。




怪我人はあまり容態が良く無い様で、」




「そうか、、」




皆各々やる事がきちんと出来て居る。




ただ、ヤブに使われているだけかも




知れないが、、






ちっちゃいの「あるじぃ、、」




扉を開けると私を見付け、話す。




ちっちゃいのはちょこまかと動く。




処置をされた者が病院に溢れている。




「動ける奴等は外に




怪我人が居るから




そいつ等をここに連れて来い。」




皆は不満そうに項垂れる。






「文句があるなら今殺す」






皆は渋々外に出て行く。






自分だけ助かって、




他人は見て見ぬ振りをする奴等に




今を生きる資格は無い。


































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