塵
「おぃっ!
早くコイツらを退かせ!!
邪魔だ、
無能の癖に、更には
『税』すらもろくに納めず、
ただ、毎日をだらだらと浪費しやがって、、
糞同士で家畜同然の様に生き、
空気を汚す"塵"者を、早く始末しろ!!」
身なりの良い男は機嫌が悪く、側の者に怒鳴る。
部下1「如何致しましょう、」
落ち着いた様子で淡々と話すのは付人だろうか、
貴族「そうだな、、
品を奪い、金を全て取れ。
いい女が居たら私の所へ連れてこい。」
部下1「はいっ、」
深々と頭を下げ、男の元から離れる。
部下2「へへへ、、
終わったら私にもまわして下さいよ、」
いやらしく、いかにも女好きな者は、
さっきの者とは違う下品さが漂う。
貴族「わーかってる、、
まず仕事をしろ。」
埃を払う様に手を揺らし、男をあしらう。
部下2「へっへっへ、、」
部下3「殺っていいの?」
小さな子供の様な者は、
目が据わっている。
貴族「表ではやるな。
悪目立ちするからな。」
部下3「はーい!」
男は楽しそうに裏路地へと入って行く。
部下1「ここらは全て、
あの方の"モノ"である!
お前らが居るこの場所は
あの方の土地であるぞ!
品を置いて、場所代を支払い、
一刻も早く、ここから立ち去るがいい!!」
響き渡る様に男の声はこだます。
商人「勘弁して下さい、、
必死に働いてるんです、、
家には子供も居て、、」
笑みにならない顔で男は乞う。
部下1「知らぬ。
お前らが税をきちんと払っていれば、
それで済む話であろう。」
しがみ付く様に触れる男を振り払う。
部下2「へーへっへ、、
いい女だなあ、、」
捕まれた女性は嫌がる。
女「やめて、、」
女は助けを求める様に騒ぐ。
男「やめろぉ!!」
女を助けるかの様に男へと向かうも、
攻撃は軽く交わされ、反撃を食らう。
部下2「おっと、、
女に当たったらどうすんだ!!」
男性「うっ、、、」
項垂れる男は赤い液体を垂らす。
女性「あなた!!!」
部下2「人妻かよ、、
そそるねぇ、、
へっへっへ!」
部下3「ほらほらー、、
早く逃げないと
殺っちゃうよぉ、、」
楽しそうに頬笑む子供は、
返り血を浴びて居る。
男「ひぃいいい!」
女「逃げてー!!」
必死に逃げ惑う様子はまるで、
地獄絵図の様だった。
男「どうなってんだ、、」
男は横たわる複数の死体を見つめる。
中年の男「やべえぞ、、こりゃ、、」
何処かで見た男は状況を察する。
「なんだ、、
勝手に
"始まってんじゃねえか、、"
」
倒れる者。
逃げ惑う者。
嘆く者。
命を乞う者。
悲鳴と怒号と、
独特の臭いが鼻に付く。
「くせえな」
用心棒に犬が医者には居る。
犬が強いかはわからないが、
ちっちゃいのも居るから大丈夫だろう。
私の隣には珍しく角が居る。
角「皆、、死んでいる、、」
「そうだな、、
お前って強いのか?」
角はあまり良い顔をしなかった。
角「あまり、
好きじゃない、、」
「そうか、、」
人を傷付ける行為を、
どう正当化した所で、
気持ち良く終わる奴等、
壊れてる者しか居ないのだ。
『必ず罪悪感を抱き、
深く記憶に刻まれる』
角はそっち側だ。
まあ、、
角を知れただけ、良いだろう。
部下2「あれ、、
お前達。何??」
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