家
どのくらい経ったか分からなかったが、
ただ火を眺めていると、奴等を連れて、
ちっちゃいが戻って来た。
ちっちゃいの「あるじぃ~、、
お待たせ致しました~、、」
「わりいな、、お前ら。
んと、、角。
そこの倒れてるを連れてってくれ」
角「はいっ、」
優しく抱き抱え、ゆっくりと帰る。
「女は荷物持ってくれるか?」
女「はあ、、」
めんどくさそうにしながら、
渋々、荷物を持つ。
女「あんたも持ちなさいよ!」
突っ立ってる犬みたいなのに、
女は荷物を持たせて先導して歩く。
「わりい。
燃やしちまったわ、、」
買った服を指すとちっちゃいのは笑った。
「いえいえ、、仕方のないのですよ」
頭を優しく撫でてちっちゃいのの手を引く。
「今からまた行くけど、
今度は離れるなよ?」
ちっちゃいの「はい!」
ちっちゃいのの手は小さく、暖かかった。
夜は出店も増え昼間とはまた違かった。
新しく来た奴等の分と、
食料と、着る物を買って、
二人で帰った。
「ただいま」
ちっちゃいの「はあ、、
疲れたぁ、、」
「わりいな」
ちっちゃいの「いえいえ、、
主の方が疲れているのに
ごめんなさい、、」
「良いんだ。」
部屋は乱雑で綺麗とは言えない。
「掃除しなきゃだな、、」
そんな事を考えて居ると、
「アレ、どうすんの?」
女が珍しく話かけてきた。
角も女も基本的に無口だ。
普段は自分の部屋に隠っている。
「お前が面倒見ろ。」
嫌そうに女は反抗する。
女「何で私が??」
「女だからだよ。
お前。友達居ないだろ?
仲良くやれよ?」
女「うざっ!!」
バタン!!
強く扉を閉め、女は出て行った。
「角~」
ゆっくりと歩き、角は来た。
角「はぃ、」
「ありがとうな運んでくれて。」
角「いえ、、」
「あの犬みてえな奴は?」
角「外に居ます。」
「何でだ。」
角「分かりません、、」
「そうか。」
ちっちゃいのは買ってきた物を分け、
お土産をそれぞれに渡した。
ちっちゃいのは皆とうまくやってる様だ。
「おーい、犬、、」
外に出ると犬は居た。
「犬?」
犬はぼーっとしている。
「主が恋しいか?」
犬へと話かける。
犬「いえ、、、
先程はありがとうございました。」
思ったよりもイケボだった。
「喋れるんじゃん、、
どうしょうか迷ったよ。
何で家入らねんだ?」
犬「私は外で飼われて居た身。
家に入る等出来ません、、」
「そうかい。
あっ、これちっちゃいのが選んだ奴。」
犬「頂けるのですか?」
犬の尻尾が動いている。
「おう!
ちっちゃいのに感謝してくれ。」
犬「ありがたき、、
彼は小さいのに立派ですね。」
「そうかもな、、」
犬「私はこれからどうしたら、、」
「まあ、好きにしろよ。
自分のやりたいことが見付かるまで、
ここに居てくれて構わないから。」
犬は深々と頭を下げる。
犬「あなたは何故私達を?」
「んー。
最初は色んな奴を片っ端から
殺して回ろうかと思ったんだけどさ?
誰かを殺める度に、背負うモノが増えて、、
気付いたらこんなんになって、、
自分でも何がしたいのかは分からない、、
ただ、前の自分みたいな、
足掻いてもどうにもならない奴等に、
何だかお節介を焼きたくなっちゃってな、、」
犬「そうでしたか、、」
雲が無くなった空には綺麗な月が浮かんでいた。
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