第8話 きせかえ大会

朝起きご飯を食べ終わると机をどかし始め、大きな木箱をアステリア様が運んできた。


「ええっと??どういうこと?」


「「今からママにどの服が似合うか大会を始めます!!」」


「き、きせかえ大会?」


「うむ、この木箱には大量の服が入っておる。いやぁ大変じゃった」


「なんかごめんなさい、アステリア様」


「気にするな。私も少し面白そうで参加したくなった」


「しんさいいんはギルドのうけつけじょー、フィーアお姉ちゃんとエルフのアルミスお姉ちゃんです」


審査員というタスキをつけた二人がリビングの椅子へ座る。


「ルールは?」


「ルールはね。箱の中にあるお洋服で一番似合うものを用意した人が優勝」


「ち、ちなみになんだけどサイズとかどうしたの?」


「えっとね、アルミスお姉ちゃんが教えてくれたの。すりーさいず?っていうのを教えてくれたよ〜」


「スリーサイズ??ねぇ、アルミス、なんで私のスリーサイズを知ってるのかなぁ?」


「いつも夜中に全身触らせて貰ってますので」


身震いし今度から部屋に鍵をつけることにすることを誓う。


「時間も惜しいし、そろそろ始めるかのう。まずはこれじゃのう!」


「最初からハードル高すぎませんか?」


アステリア様が取り出したのはメイド服。


「そうか?」


「そうですよ!!」


抵抗むなしく奥の部屋へ連れていかれ、服を着替えさせられた。


「うむ、似合っておる」


「うう、は、恥ずかしい」


「しんさいのかた、さいてんをおねがいします」


「「二十点!!」」


二十点と書かれた板を出した。


「何点満点中?」


「二十満点中です」


「いやもうこれ優勝じゃん」


「いえ、まだあと二十着ありますから」


フィーアさんとアルミスがにやりと微笑む。


「次はこれじゃああ!!」


今度はフィーアさんがいつも着ている受付嬢の制服だ。


「えぇ」


再び着替えさせられた。


「な、か、可愛い」


「リシアさん、是非私とともにギルドで働きましょう」


「え、さ、さすがにそれは嫌です。恥ずかしいです」


「さいてんおねがいします」


「「二十点!!」」


「あまりの恥ずかしさで死にそうだよ」


「まだまだゆくぞー!!」


今度は修道服だがほとんど布で覆われているためメイド服や受付嬢の服のような恥ずかしさはない。


素直に着替える。


「か、可愛い。これが聖女!!」


「さすが、リシアお姉様!正しく聖女!結婚してください」


「それはちょっとごめんなさい」


「「に、三十点!!」」


二十点と書かれた板に大きく三十点と書かれていた。


「なんてむちゃくちゃな」


そっから二時間以上もきせかえ大会が続き、優勝したのは修道服を用意したエリシアが優勝した。


「みんなありがとう。私を励ますためにここまでしてくれて。すごく嬉しかった」


「いつものリシアさんに戻ってくれて良かったです。また泣きたくなったら泣いていいですよ」


「そ、それはもういいや。結構恥ずかしいし」


朝起きて思い出した時かなり恥ずかしかった。


「うへへ、リシアお姉様にはこれから毎日私が服を用意致しますね」


「絶対やだ。エリシアに用意させたらどんなものが用意されるかただただ怖い」


「アステリア様、アルミスに私が来た服と同じ服を着させて。スリーサイズを勝手に測った罰を与えないと」


「わ、私用事を思い出しましたのででは。ぐへっ」


瞬時に結界を貼ると見えない壁にアルミスが激突した。


「アルミス、大人しく私と同じ目に合いなさい」


アルミスをリビングへ引き戻し、二時間くらい同じように服を着せ替えた。

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