第6話 奴隷商売はいけません!
なんだろう、、、めっちゃ増えてませんでしょうか。
ふとそう思った。
ここ二日三日で2人も増えてしまっている。
今日はさーすがに増えないよね!。
リビングへ入ると豪華なホテルのような朝食が並んでいた。
「おはようございます、リシアお姉様」
この朝食を作ったのはエリシアらしい。
「おはよ、エリシア。エリシアって料理できるんだね」
「はいっ!お母様から嫁入り修行だって言われて死ぬほど叩き込まれましたから、えっへん」
(え、自分でえっへんとか言う人初めて見た)
「よーしよし」
犬を撫でるようにエリシアを撫でる。
「えへへ、、私お姉様との結婚なら喜んでします!むしろお願いします!」
(何この子!恐ろしい子!!)
無邪気な笑顔は凶器になると知ってしまった。
「エリシアさん、リシアさん、おはようございます。ふぁー、お早いですね」
眠たそうな顔でアルミスが降りてきた。
「アステリア様は?」
「アステリア様でしたら特訓だとかでリシアには負けてはおられんとか言いながら朝早くから出て行きましたよ」
「なんで私?」
((この人全然自分の力に気づいてない!))
なぜ私なのか本当にわからなかった。
「そうです!リシアお姉様、アルミスお姉様。丁度、調味料と食材を切らしてまして。買い物に手伝ってくれませんか?」
「わかったよ」
朝食を食べ終わり街へと出かけた。
「まずは食材からですね」
「あ、あと、服とかも買わないと人も増えてきたし」
「ねぇ、アルミス、なんで私の服は日に日に減っていってるのかな?」
「エリシアさん、いいところがあるん、、痛い、痛いですよ〜、リシアさぁぁん」
頭を拳でグリグリとする。
「罰としてアルミスは今日のデザートなしね」
「うー、ごめんなさい〜」
「リシアお姉様からの愛のムチ、、、羨ましいです〜」
エリシアがこっちを向いて目を輝かせていた。
「羨望な眼差しでこっちを見ないの」
「「「おはようございます!!リシアの姐さん!!」」」
冒険者の男達が何故か極道のような感じで道を開け始め、かなり周りから目立っている。
「えっ?ちょっ、どういうこと?なんでなの?」
「そうじゃ、我らが真なる魔王、リシア閣下の通る道である。何人たりとも阻むことは許されぬ。返事は?」
「「「イエッス!マム!!」」」
軍の敬礼みたいな感じで男たちが挨拶をしていた。
(どういう状況??なんでこんなことになってんの?)
「1回止めて!アステリア様っ!」
「うむ、良かろう」
アステリア様が合図すると男達が綺麗に去っていった。
「えっと、、、」
「昔妾の友から教えてもらったやつじゃ」
「あー転生者の、、はぁ、どおりでおかしいと思ったら、もう二度とこういうことはしないでくださいね」
「何故じゃ!貴様は妾の楽しみを奪う気か!」
「私からしてみればただの公開処刑ですよ!!ほら見てください!周りから冷たい視線を、、、」
「さ、さすが、リシアさん!」
よく見ると何故かみんなの目が輝いていた。
「「「リシアの姐さん!!」」」
「もうやだ、この街やだぁ!!」
自尊心を守るため走って逃げることにした。
「り、リシアさん!!待ってくださいよ!!」
後ろを振り返ると大勢の人間が追いかけてきた。
「く、来るなぁ!!」
「ぷ、ぷくくく」
笑っているアステリア様を見て殺意が湧いたことは言うまでもない。
「はぁ、はぁ、つ、疲れた。まさかこんなことになるなんてこの街怖い」
と少し座って五分くらい目を閉じると膝に生暖かい感触があり、目を開けると二人の少女が寝ていた。
(誰この子達。まさか迷子?)
起こすのも可哀想なので着ていた上着をかけ、じっとすることにした。
「ふぁーあ、、ふぇ、、、誰ですか?」
「むしろこっちが聞きたいんだけどなぁ、、えっと君たちは迷子かな?」
ふるふると怯えながら首を振る。
「逃げてきたの」
「逃げてきた?どこから?」
「それは、、、」
「くそガキどもここにいやがったか!!」
小太りの中年の男が走ってきた。
「ひぃっ!」
二人が後ろへ隠れる。
「あなたは二人のお父さんですか?」
「貴様には関係なかろう、その二人を引き渡せ」
「まぁ私にとってはどっちでも構いませんし、いちいち家庭の事情に首を突っ込む気もありません」
「ならさっさと渡せ!」
「ですが、あなたが奴隷商なら話は別です。人の命を値段で決めるよう方を見逃せるほど私は非情にはなりきれません」
「クソアマが!!」
男が襲いかかって来るがそれを躱し男のみぞへ蹴りを入れる。
「で、あなたは奴隷商ですか?」
「だったらなんだ!!俺の商品に手を出すんじゃねぇ!!」
「商品?」
自分の中にある何かがプチンと切れた。
「そうだ!所詮そいつらは商品だ!人権なんてものはねぇんだよ!!」
「あなたがクソ野郎で安心しました。容赦する必要は無いみたいですね。【砂塵大嵐】」
男は砂塵の嵐に巻き込まれどこかへと飛んでいった。
「あ、ありがとう、ママ!」
「えっ、ママ?もっと他の呼び方にしない?」
「じゃあ、、お姉ちゃん!」
二人を連れ街へと戻ると心配そうな顔をしたアルミスたちが抱きついてきた。
「心配したんですからね!リシアさん!」
「ごめんごめん、、えーそれでなんだが」
「あんだけ、だめだめ言ってたリシアさんが小さな女の子二人を連れ帰ってきた、、、い、いくらなんでも誘拐はダメですよ!!」
「いや違うってこの子達は、、、」
「ママ?」
なんでか呼び方がママへ戻り、さらなる誤解が生まれた。
一時間かけて誤解は解いたがまた、人が増えてしまった。
後日、例の奴隷商人は捕まりこの街での今後一切の奴隷商は禁止とされた。
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