第2話 初めてのモンスター退治
とりあえず、アルミスとスライム退治の依頼を受けることにした。
最初アルミスは何故かスライムを退治を子供のように嫌がっていたがフィーアさんが「リシアさんにはまずスライムから慣れる必要があります」と言われ納得したみたいだ。
しかし今でも驚きを隠せない。まさか自分がチート系だったなんて。
草むらの中からスライムが二、三匹ほど現れ、襲いかかってきた。
「リシアさん、魔法を唱えてください」
とアルミスはかなり遠い木の影から大きい声で指示を出す。
「えっと、、ファイアショット!!」
よく色んなラノベで出る魔法の名前を出すとあたり一体が一瞬にして焼け野原と化した。
「リ、リシアさん!殺す気ですかっ!!」
爆発に巻き込まれたのか涙目で服がボロボロとなったアルミスが歩いてきた。
「えっとその、、ごめん」
「もう少し集中してください。意識を研ぎ澄まして魔力の流れを感じるです」
言われた通り意識を研ぎ澄ます。
「ふぅ、、、今だ!」
今度は狙い通りスライムへ直撃した。
「今度は上手くいきましたね」
と二人で喜んでいるとスライムが襲いかかってきて、身体へまとわりつく。
「ちょっ、そこ違っ!」
「んぁっ!や、だめ、!聖なる光よホーリーライト!」
アルミスが魔法を唱えると周りが光に包まれ、スライムが消えていった。
「ありがとう、アルミス。おかげで助かったよ」
「あ、あの!リシアさん!女の子なんですからもう少し恥じらいを持ってください!!」
顔を赤らめながらアルミスが怒る。
自身の体を見ると服は所々溶け、白い肌が露になっていた。
さっきまでの喜びが恥ずかしさへと変わった。
木陰でアルミスが用意していた予備の服に着替え、家へと戻って暖房で温まる。
「まさかスライムに服を溶かす能力があったなんて」
「だから嫌だったんですよ!!」
へくちと可愛らしいくしゃみをする。
「確かにこれは嫌だ」
まさか、男の時は上半身が裸でもそんなに恥ずかしさはなかったが女性になった今はかなり恥ずかしい。
「しかもあのスライムベタベタするんですよ!」
「確かにベタベタする」
「そうです。リシアさん!一緒に風呂入りましょう!この家の風呂広いので二人でも全然ゆっくり出来ます!」
「え、なんかやだ」
「なんでですかっ!」
「だってアルミスと風呂はいったらなんか自分の貞操に危機感を感じる」
忘れてはいけないアルミスは出会った時に変態の眼差しを向けていたことを。
「分かりました。絶対に風呂へ入ってる間は手を出しません!!」
「破ったらどうすんの?」
「しばらくリシアさんの服は持ちません」
「えっ?どういうこと?怖い怖い、、まさかとは思うけどさっき破れた服どうしたの?」
「私の部屋に大切に保管してます」
誇らしげに胸を張る。
「約束を破らなくてもその服は返しなさい!」
「風呂へ入りましょう〜」
風呂に入る前にアルミスから服を奪い返し、魔法で跡形もなく燃やした。
「やっぱり風呂は落ち着く〜」
「リシアさんの意地悪、少しくらいいいじゃないですか」
むぅっとアルミスが可愛く拗ねる。
「良くない。普通に怖いよ」
「えー」
「じゃあ聞くけどあの服どうするつもりだったの?」
「そんなの決まってます。夜のおと、、」
「じゃあだめ」
「そんなこと言わずに〜、、、」
アルミスが髪に触ってくる。
「いきなり黙ってどうしたの?」
「リシアさん、こんなに綺麗な髪をなんでお湯につけてるんですかっ!!女の子なのにダメじゃないですかっ!」
いきなり立ち上がりアルミスが怒る。
「え、なんで?」
「まず髪の毛をお湯につけるのはマナー違反です!その次にお湯に硫黄や消毒剤の成分が入っていると髪が痛むんです!!」
もうっと言いながら浸からないように髪を結んでくれた。
「知らなかった。ごめん」
「髪は女の子の命なんですからもう少しを気を使ってくださいね!」
逆上せる前に風呂から上がり、タオルで体を拭いてからソファーに寝転がると再びアルミスが鬼の形相でこちらを睨む。
「えっ、またなにか悪いことした?」
「もうっ!髪はちゃんと解かないとダメです」
ソファーに座らされアルミスが髪をとかし始める。
「結構女の子って大変なんだね」
「当たり前です。何を他人事みたいに言ってるんですか。リシアさんも女の子なんですからもう少し自分に気を使ってください」
「ごめん、、でもありがとう。アルミス。ここに来て自分一人じゃわかんないことばかりだったからアルミスがいなかったら多分生きていけなかった」
「気になさらないでください。大したことじゃありません。それに私もずっとこの街では一人だったのでリシアさんと出会えてすごく幸せです。こちらこそありがとうございます」
この世界はすごく楽しい。
目を覚ましたら突然異世界にいて、しかも女の子だった。
けどアルミスと出逢えたことで不安も解消した。
「ところでさ、アクセサリーショップみたいなのってこの街にある?」
「はい、ありますよ。明日行ってみますか?」
「お願い」
「分かりましたっ!あ、でも服はちゃんと新しいの着てくださいね、部屋に置いときますから」
「さすがにそれは大丈夫」
一体アルミスに自分はどういう人間だと思われているのだろうかと気になってしまった。
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