第11話 明智光秀という男
光秀、よく参った
は
光秀
今度の戦の見込みはどうだ
私の分析と情報からして
敵は我々が東から攻めてくるだろうと
想定していると思われます
東の方から攻めるとみせかけ
西から奇襲をかけるのです
なるほど
光秀はさすがに策略家だな
わが藩の宝だ
お褒めのお言葉をいただき
ありがたき所存であります
今後もお主に期待しておるぞ
おや、信長様
新しい側室でしょうか
いや
私の身の回りを世話をしてくれる者だ
名は鈴という
そうですか
これは美しい
そうだろう
それでは、失礼いたします
なんと、美しい方だろう
私には妻がおらぬ
あのような方がそばにいれば
どれだけ、癒されるだろうか
また、近いうちに城に参ろう
信長様
どうした、鈴
あの方は
ああ、あいつは明智光秀という我が国で最もすぐれた武将だ
そうですか
何か気になるのか
いえ
たまに、城に来るので
お茶でも出してあげなさい
わかりました
数日後
辰之進殿
明智様
何か城に御用ですか
信長様と戦略を練りたいと思って来たのだ
わかりました
どうぞ
おお、光秀
何か戦略を思いついたのか
いえ、信長様のお考えをお聞きしたかったものですから
そうか
鈴、お茶でも出してあげなさい
鈴様
これは城に参る前に野に咲いていた白い花です
私の気持ちとして受け取って下さい
ありがとうございます
きれいな花です
大事に部屋に飾っておきますので
それでは、信長さまのお考えをお聞かせください
帰れ
どうしてでしょうか
いいから、帰れ
わかりました
なぜだろう
信長様に失礼なことはしていなかったと思うが
日を改めて参ろう
信長様
私は何か悪いことをしましたのでしょうか
いや、鈴は悪くはない
それなら安心いたしました
数日後
信長様
また、光秀か今日はどうした
今日はお願いがあって参りました
信長様、鈴様は本当に側室ではないのですね
ああ、違う
世話人なら私の妻にさせて頂けませんでしょうか
駄目だ
どうしてでしょうか
世話人なのに
光秀にはお前に相応しい女を紹介しよう
わかりました
鈴様
信長様は許して頂けませんでしたが
私の想いは変わりません
庭先に薄紅色の花が咲いておりました
せめても、お受け取り下さい
ありがとうございます
きれいな花ですね
光秀様のお気持ちは大変うれしいのですが
帰れ、光秀
もう、ここに来るな
なぜでしょうか
信長様
いいから、帰れ
私が何をしたのだろうか
鈴様を気に入られていられるのなら側室にしているはず
しかし、私の鈴様への想いはかわらない
何度かお願いに参ろう
私の想いが届く事を願いたい
信長様もいつか許して下さるはずだ
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