第7話 星への想い

鈴、何処にいるのだ

鈴は勘違いしているぞ

私は鈴を愛している

確かに戦で疲れていた

でも、それを癒してくれたのは

鈴なんだよ

鈴の優しい笑顔がみたいぞ

星が美しく輝いてる

だが

鈴の輝きには遠く及ばない

必ず会える日が来る

それまで

待っていてくれ



お殿様

私の心の中では信長様です

一度でいいので

お殿様の前で

信長様と呼んでみたいです

私は今

夜空を見上げています

優しい、お殿様の

いえ、信長様と心の中では言わせてください

私のせいで信長様を苦しめていたのですね

さぞかし辛かったことでしょう

お食事の時も元気がありませんでした

ここでの生活は苦しいです

しかし、信長様の苦しみからすれば

夜空に輝く星のひとつに過ぎません

今、流れ星が

もう、信長様の心は今の流れ星のように消えていったのでしょう

でも、私が生きているうちは信長様のことは一生忘れません



殿

大変です

隣の国が攻めてまいりました


いよいよ

戦が始まるぞ


現在は我々の堅い守りで

有利に戦っております


よし、今度は逆襲だ





隣の国にて


どうも分が悪いな

攻める時期が早かったか

このままでは勝てないぞ


殿

実はある有力な情報が入ってまいりました

どうやら

信長の女がこの国に身を潜めているという

我々の忍びの話であります


よし

女を捕まえろ


どうやら、ここの家に隠れ住んでいるようです


よし、わかった

おい

出てこい


なんでしょう


お前は信長の女らしいな


いえ

ちがいます


我が国の忍びの者からの話だ

間違いない


いえ、私は料理作りのお世話の仕事をしておりました

お殿様の女ではありません


嘘をつくな

よし、連れていけ


殿、信長の女を連れてまいりました


よし、兵が攻めてきたら

見せしめに殺してやれ


いえ、交換条件として戦を中断するのも良いのではないでしょうか

いずれに、張り付けにして見せしめるのは得策かと思います


そうだな

信長に女を預かっているという話を伝えろ


わかりました




信長の城にて


何、鈴が隣の国に人質になっているだと

よし、すぐ迎え

私も向かおうではないか




はははは

信長

この女に見覚えはないか


鈴ではないか


お殿様


すぐ、そこに行く


いや、来たら

この女の命はない

戦の停戦をするという条件なら

この女を返してやる

それとも、この女を八つ裂きにするか


くっ


お殿様

もう、これ以上苦しまないでください

私は舌を噛んで死にます


はははは

どうするかな


そうだ

この女の前で我々の国と停戦するために

土下座をして許しをこうといい


お殿様

駄目です


大丈夫じゃ


辰之進

すぐに矢を放て

すぐにだ



ううう

攻めてきたぞ


私は敵将を討つ

鈴を助ける


スパ

ううう


よし、鈴

もう大丈夫だ


殿

鈴の護衛は全て討ち払いました

よし

辰之進


すぐそこに行く

待っていろ

もう縄をほどいた




殿もやられたぞ

全軍撤退だ


会いたかったぞ

もう大丈夫じゃ


しかし

お殿様の戦のことで苦しませることはできません


いや

あれは誤解じゃ

私が調べたところ

定が仕組んだ罠ということがわかった

もう、打ち首にしたから

誰も私と鈴を邪魔するものはいない

私は鈴と離れるのが一番苦しい


本当でしょうか


どれほど

鈴に会いたかったことか

もう、鈴のおかげで隣国は攻めてこない












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