第5話 自分が親父になって子育てを真剣に考えていた
実家を離れて30年が過ぎようとしていた
「あいつ」はまだ生きている
今度は何で家族は迷惑をかけられるのだろう
そんな不安を直は脳裏から離れない
「あいつ」が生きている限りは…
15年前に
妻との間に娘ができた
直の命より大切な存在と思っている
彼女が生まれた時
子育てを真剣に考えていた
なぜなら
母親は子育てに迷うと誰に聞くか
もちろん、自分の母である
そして学んで自分も成長する
そうすると
父親は子育てに迷うと自分の父親に聞くか
そんな家庭ほとんどありえない
妻の母や自分の母に何でも夫婦は聞けば良いのだろうか
直はそう思わなかった
自分の子育ての方向性だけは頭に置いておこうと考えた
だって…
皆、親になったら
親も1年生なのだから…学ばないと
こう解釈する人は少ない…
子育ての本を10冊以上読んだ
だいぶ子育ての方向性が頭の中でまとまっていった
例えばこんなことだ…
①子供は3歳までがとても記憶力がいい、だからそれまでに思い出をたくさん作ることで大きくなっても覚えている
→直は休日には、娘と2人で公園で砂場遊びをしたりジャングルジムで遊んだり
娘と2人でマクドナルドに行って、娘の好きなフライドポテトを一緒に食べたり
娘と銭湯に行ったり
ここで大事なのは
2人で行動することである
妻が嫌いなわけでもなく、そうすることで妻も自由の時間ができるのだ
②家庭の中で夫婦喧嘩を絶対しない、夫婦喧嘩をするのは娘にも影響を与える、心を不安にさせる
→そもそも、他人同士が結婚して良いところよりも悪いところが目立つのが当たり前
付き合ってるときはお互い良いところしか相手に見せたくない
相手の悪いところがあっても片目をつぶることも時には必要
こういう人を俺は一緒になったんだ、選んだんだ、そんな諦め、優しさ、覚悟も必要だと思う
③娘は成長にしていくと父親を嫌いになっていく
だからこそ、僅かな時間でもコミニケーションを自分からとって、いい関係が続くように気を配る
→直は水曜は休み、娘は学校、こんな時は最寄りの駅まで娘と家を出て駅までたわいのない話をする
たった5分間程度の時間
だけど5分が何ヶ月も立つと結構長い時間2人でいるもんだ
交換ノートを娘とした
娘は学校のこと、好きなことを書いてくる
父親は会社のこと、娘と出かけたいことなどを書いていた
結構、近況がわかるもんだ
④勉強しなさいと言わない、長所だけを見て短所は目をつぶる
→娘の得意な科目や、やっていることだけをとにかく褒めた
長所を伸ばすことで、短所は縮むと思っているからだ
勉強しなさいなんて、母親、先生から嫌というほど娘は聞いている
そんな事を父親まで言い出すと心を開かなくなる
⑤無言の気遣いをしてあげる
→直は家を出るのが1番早い
そんな時は、玄関で娘の靴を履きやすい方向に直してあげる
もう何十年も続けてきた
そうすると
娘も父親の靴を履きやすい方向にしてくれる時もある
お互い何も言わない…
妻の靴はそのままほったらかし
だから娘の靴だけきれいに並べると目立つ
これが無言の気遣い
優しい娘に育った…
死んでくれ、親父! うらおもてなし @arucyu1225
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