第4話 社会人になった、親父は「人」ではなくなっていた
神戸の大手企業に就職した直
実家には年2回程、帰省するほどだった
そんなある日…
母さん「直、100万円貸してくれない」
直「何があったの」
母さん「実はまたお父ちゃんが借金をしてお金が必要なの、借りた先が、サラ金みたいで早く払わないと利息が高く付くの」
直「もう、うんざりだ」
母さん「離婚も考えたけど、お父ちゃんが路頭に迷う姿を想像したら可愛そうで無理なのよ、ごめんね直、貴方しか頼れないの」
直「100万円まではないけど、渡せるだけ母さんの口座に振り込むよ」
電話を切った途端、直はめまいがした
しばらく呆然と立ち尽くした
生きる気力を失いそうだ…
いつになったら家族は「あいつ」の尻拭いから開放されるのだろう
死んでほしい…心の底から願った
2年間社会人になって、いざと言うときの為に生活をぎりぎりにして大きな買い物もせずに貯金をしていた
92万円を母の口座に振り込んだ…
家族から離れて「あいつ」の顔を見なくてせいぜいしてたいたのに…
「あいつ」はもはや人ではない
人はいつか変われると思ってた…
しかし、「あいつ」は変われなかった
つまり、人ではなくなっていたのだ
そう思わないとやってられない…
人でないとなんだろう
桃太郎電鉄の「キングボンビー」か?
ファイナルファンタジー10のラスボス「シンか?」
映画「グリーンランド」の地球に落ちる隕石か?
俺、何想像してるんだろう、自分に失笑した
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