第2話 進展

気が付くと、病院にいた。周りを見てみると、だれもいない、何もない、そんな空間だった。

「やぁ、気づいたようだね」

と、警察らしき人が私に話しかけてきた。

「誰?」

と返し、その人は、

「警察だよ、見たらわかるでしょ。それより君、何があったの?」

と、質問してきた。

 何があったって、それはこっちが聞きたいよ、と思い、私は、

「わかりません、ただ、不気味な奴がいて、そいつから逃げていたら、どんどん増えていき、どうしようもなく叫ぶしかありませんでした」

と、ありのままのことを言った。

「生憎と、そんな不気味な奴の目撃情報は入っていないんだよね。君もしかして薬やってる?」

と、質問された僕は、

「やってません!!!なんなら検査してもらっても構わないし、家宅捜査っしてもらってもいい」

そう、僕が言うと、警察は、

「だろうね、君の家は調べてもらったし、検査結果は陰性。精密検査をしてもどこも異常は見つからなかった」

そう説明された。

 いやいや、何勝手に調べてるの?それ犯罪じゃない?許可上げた覚えないんだけど、まぁ、緊急だったらしく、仕方ないかと思った。

「君が見た不気味な奴ってどんな奴なんだい?」

警察に紙とペンを渡されて、私は、そいつを思い出しながらスケッチをした。

「うーん、にわかには信じがたい絵だね。本当にこんなやつがいたの?」

「本当です。自分でも最初は意味が分からなかったし、そのあとだって、変だった」

「そのあととは?」

私は警察に、病院までの記憶がないことを告げた。

「それはおかしいね。普通説明はするはずだし、親も疑問に思わなかったのだろうか」

警察は私に、

「君のお母さんについても少し調べさせてもらうけど、いいかな?」

「はい、よろしくお願いします」

と、返した。

 とりあえず私はしばらく病院に入院することになったらしい。警察が病院に事の説明をして、解決するまでは、ここに住まわせること、を了承させたそうだ。

 しかし、そんな期日もわからず、病院生活というのは、意味が分からなかった。病院食はまずいと聞くし、就寝時間も早い。健康生活まっしぐらになってしまうだろう。そう僕は考えながら、病院での生活がスタートした。

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