彼は人間

カキピー

第1話 幻

 日本某所、そこには、ある男子高校生がいる。

「はぁ~、今日も疲れたーー」

 彼の名前は、悠。一般人だ。彼は、放課後いつも直帰し、ゲームをするというのが日課だ。しかし、そんな帰路を辿っている最中。

――ドガッ(ここから一人称)

 私は、意識を失った。私は、少し残った意識で、殴った犯人を見た。しかし、夕日と重なって、うまく見ることはできなかった。

 気が付くと、そこは家だった。すると、コンコンと、ノック音が聞こえた。ドアが開き、そこには、母がいた。

「大丈夫?なんか突然倒れたらしく、周りにいた人たちが病院に連絡してくれたらしいわよ」

と、説明された。それを聞いて、私は、不思議に思った。というのも、ふつうは、病院に連れて行ったら、病室で休んでいるはずだ。それを、母が車で運んで行った。しかも、退院した時は、僕にも医者から説明とかされるはずだろう、と思った。

 しかし、今は疲れているので、とりあえず休むことにした。

――翌日

 私は、学校に向かった。昨日は、休んだら疲れは取れたので、今は、元気いっぱいだ。と、思っていたその刹那、身長は3mはあるであろう人物がいた。その男は、黒髪で、顔は面長、服はコートを着ていた。不気味な容姿だ。僕は見ないように、その男を横切って歩いた。すると、いきなり、

「アア、ア?ウウウ」と、意味の分からない言葉を発し始めた。喃語のような鳴き声も時折混ぜ、発狂したかと思えば、静まり返る。なんとも不気味で不思議だ。しかし、私はここで気づいた。だれもあいつに見向きもしない。いや、気づいていない。全員何もいないかのように、ただ道を歩いていたり、自転車をこいでいる。私は訳が分からなかった。なぜ自分だけが見える?なぜ自分だけ聞こえる?そこで、僕は不思議から恐怖に変わった。幻覚、幻聴がする。これは、誰に言っても意味はないだろうし、言いたくもない。なぜかって?薬をやっていると思われたくないからだ。実際に、薬は絶対にやっていない。だったら、検査して証明しろというだろう。だが、その時の僕には、その考えがなかった。

 その恐怖から逃げていると、アイツはいなかった。それよりも、、、不気味な奴が増えている!

「あああああああ!!!!!」僕は叫ぶしかなかった。多分どこに行っても、こいつらは現れる。逃げても無駄。だから、僕は叫んだ。周りの人は、吃驚した。中には、僕をとる人や、近寄る人、電話をする人、泣く人、色々いた。しかし、僕に見えているものは、どれも人間っぽく、もう一体、だれが本当の人間なのかわからなかった。ただ、僕の中では、全員が不気味な奴、本当の人間はいるのだろうかと思うようになっていた。

 

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