開店3ヶ月目 フルフルとムルムル

私が、店長になって3ヶ月がたった。今思うといろんなことがあった。上から降ってきたラファエル。土の中から出てくるアゼル。不思議な能力を持ったレムレム。突然来た閻魔様。音楽家で泣いたら洪水レベルのイスラフィエルさん・・・


 いろんな人が来て扱い方に困ったけど、ラファエル、アゼル、レムレムに助けてもらった。いい思い出。

 

3人とも別れが迫ってくると寂しい。ずっと・・・一緒に居たいけど、ダメなんだよね・・・あと2ヶ月でお別れか・・・どうしよう・・・


「店長・・・店長!」


「どうしたの?レムレム・・・」


「外! 外見て! 雷と雨だよ!」


「え! 雷と雨! 看板、中に入れて傘立て用意しないと!」


 外を見ると土砂降りの雨と雷も鳴っていた。急いで外に出てる物をしまった。


 お店のチリーンと鈴が鳴った。


「いらっしゃいませ」


「レム姉さんコーヒーちょうだい。」


「私も!ミルク多めでお願い~」


「レム姉さんって私の知り合いかなぁ」


 お客さん2人は、下を向いて笑っている。レムレムがお客様にお水を渡しに近づく。


「わぁ!!」


「!!! あ!まずいコップが落ちる。」


 レムレムは、落ちそうな水の入ったコップを器用にトレーでキャッチする。


「レム姉すごーい」


「レム姉さんすごーい。」


「もしかして2人はフルフルとムルムル?」


「そうだよ!レム姉さんおひさー」


 フルフルはレムレムに抱きつく。


「私もレム姉~に抱きつく」

 

 と言いムルムルも抱きついた。二人の印象は見た目は子供だが、顔はそっくりでまるで双子に見える。見分けるのが難しい。


「二人ともアレやるよ」


「アレね」


「アレだね」


「また、うるさいのが来たな!頭痛がする。」


「私達は~」


「人と目を合わせれば、人を操ることができるレムレム!」


「いつでもどこでも雷を呼ぶフルフル!」


「私は、嵐を呼び寄せるムルムル!」


「3人合わせて」


「「「悪魔三姉妹!」」」


 3人はポーズを決める。


「うるさい!ここは子供の遊び場じゃないんだよ! さっさと帰れ!」


「アゼルも子供じゃないか!」


「アゼルも子供だと思うよ!」


「うわーん! 店長!アゼルがいじめるよ~(ニヤニヤ)」


「うぇーん! 店長!アゼルがこわいよ~(ニヤニヤ)」


「お前ら~帰ったら覚悟しろ~よ」


「アゼル 言葉づかい!子供怖がらせない!」


「・・・ごめんなさい・・・気をつける(絶対許さん)」


「べーだ! 店長には逆らえない!」


「ざまあみろ! 店長は最強!」


「話は変わるが、2人はなぜここへ来たんだ?」


 ラファエルが、話を変える。ツッコミを交えつつ、話は進んだ。


「悩みがあるんだ!」


「真剣な悩みなんだよ?」


「お前らに悩みなんてあるのかよ」


「アゼルにいじめられるからやめてほしいって悩みだよ!真剣な悩みでしょ! 嘘だけどね」


「アゼルに頭殴られるから止めてほしんだ! 切実な悩みなの。嘘だよ~ん」


「それは、俺が悪かったですね。本当の悩みは何ですか?」


 アゼルは、ひきつった顔で2人の相手をしていた。


「アゼルは、子供の相手が上手いな!感心するよ」


「おい・・・ラファエル見てるだけで何もしないつもりか・・・手伝えよ。」


「嫌だね。僕は昔から子供には嫌われているし、相手するのも苦手だから任せるよ。私は大人の女性の悩みを聞いて解決したい。代わりに聞いておいてくれ。」


「・・・ラファエルも許さねぇからな・・・覚えてろよ。」


「アゼル話聞いてた?聞いてないでしょ。」


「アゼル仕事サボってる」


「お客様・・・お悩みはなんですか?」


「水の魔女って聞いたことあるでしょ。」


「水の魔女が、脱走して今、悪魔の国大変なんだよ。バタバタしてるんだ。」


「目撃情報によると、個々の周辺にいるらしい。」


「だから、みんなに助けてほしい。水の魔女ルサールカは、歌を歌ったりダンスしたりして男性を誘惑する。そして墓に連れて行ってしまうんだ。」


「怖いでしょ・・・」


「このままだと男性が居なくなる。助けてほしい。」


「助けてほしいけど、どうやったら捕まえられるかなぁ~」


「そういえば店長?今は歌声聞こえてますか?」


 ラファエルに、話を振られた。


「今は聞こえてない・・・遠くにいるのかなぁ~」


「おかしいなぁ~」


「ルサールカは、女性だから男性を狙うはず。店長を狙うなんておかしいなぁ~」


「この中にイケメンは・・・ラファエル様ですね。」


「ラファエル様は、イケメンだけじゃなくとーても優しいし、頭も良くて悪いところがない。狙わているのは、ラファエル様です!」


「・・・・・・」


 代表としてアゼルが二人と遊んでいた。そのため彼は怒りの限界、疲れの限界が来ていた。そして、時間を忘れて         

二人と会話していたせいか閉店時間になっていた。


「お客様、閉店時間なので帰るお時間ですよ。ルサールカのことはこちらに任せて悪魔の国へお帰りください。」


「もう・・・時間なの?つまんなーい・・・もう少し・・・ヒィ」


「私も、もう少し・・・うっ・・・」


「お客様帰らないつもりなら無理矢理追い返しますが、覚悟はできていますか?」


 アゼルの手の音がゴキゴキなっているので二人は少し怯えていた。が半分はアゼルが冗談でやっていることだとすぐに思った。後の半分は・・・本当に怒っているかは私にも分からない。


「ルサールカのことはま・・・ま・・・任せていいんだよね。」


「アゼル、ルサールカのことちゃんとつ・・・つ・・・捕まえろよ。」


「分かったからさっさと帰れ!ルシファーにもよろしく言っておいてくれよ!」


 二人を店の外に追い出した。二人はしぶしぶ帰って行った。


「ルサールカのこと任されたがいいのか?」


「んあ?なんとかなるでしょ!難しく考えるなよ。気軽に行こうぜ!ラファエル様」


 こんなこと言ってるけど、私の中では不安しかなかった。



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