開店4ヶ月目 ルサールカとサタナキア

ムルムル、フルフルが来てルサールカのこと頼まれてから一ヶ月がたった。4ヶ月目にして最大のピンチが起きた。

4ヶ月目にして最大のピンチが起きた。前、夜に女の人の歌声がまた聞こえた。

 

 ある日の閉店間際のことだった。


「ねぇ・・・女の人のきれいな歌声が外から聞こえるんだけど・・・」


 私は、閉店の片づけをしているラファエルとアゼルに言った。


「また聞こえるんですか?店長・・・」


「うん・・・前は遠かった歌声が今度は近くに聞こえるようになった。」


「え?近くにいるってこと! ヤバいじゃん!」


「店長! 歌を聞くな! 耳を塞ぐんだ!」


「早く!」


「え?うん・・・」


 私は急いで耳を塞いだ。その時、お店入り口の鈴がチリーンとなる。男性お客さんが入ってきた。


「あの・・・まだお店やっていますか?やっているならコーヒーを一杯もらえますか?ん?なんか歌声が外から聞こえますが・・・誰か歌ってるんですか?」


 フードと帽子をかぶった男性客がお店に来店した。


「まずい・・・狙いは、あの男性だ。あのお客さんを囮(おとり)に」


「囮ってラファエル怖いこと言わないで・・・」


 コソコソ話を私とラファエルでしていたらレムレムが手を挙げた。


「私に任せて!店長!」


「レムレムお願い」


 待っこと10分


「お待たせしました~コーヒーでございます~。」


「ありがとう」


「それと今、外を見ますと大変危険ですので、見ないようにお願いします。歌声が聞こえた場合は、耳を塞ぐようにお願いいたします。」


「なぜ、を見てはいけない?」


「なぜ・・・ってあなたの魂が取られてしまうんですぅ~忠告ですからね~絶対外見てはいけませんよ~」


「絶対って言われたら見たくなってしまう。」


「万が一外を見て魂を取られてもお店は責任を負いませんからねぇ~」


「取られたら死ぬから・・・お客さん守らないと・・・」


「アゼル静かに・・・」



「なにが外は見てはいけませんだよ! 外に何があるって言うんだ? あぁ…外にきれいな美人な女性が立っている・・・とても綺麗だ・・・」


 男性のお客さんは、警告を守ることなく外を見た。

 

 私達は、本当はやってはいけない作戦を考えていた。男性客を使っておびき寄せる作戦だ。お客さんを使っての作戦なんて本当は絶対やってはいけないこと。


「私を見たでしょ・・・私魅力的でしょ・・・一緒に墓に入りましょ・・・」


「うぅ・・・うぅ・・・」


「!!!!」


 男性客の首を絞めていた。


「おい・・・お客さんを殺したら許さないからな・・・」


「私は、男を殺すためにここにいるの・・・殺しちゃダメなら誰を殺せばいいの!!」


「・・・クックックッ・・・お前は、ルサールカ・・・水の悪魔・・・やっと見つけた・・・」


「お前は、一体何者だ・・・」



 男性客は、首を絞められながらしゃべりだした。


「え? あの男性客は、まさか人間じゃない・・・あの顔・・・どこかで」


「僕ですか? 僕はサタナキアと申します。一応ルシファー様の右腕と呼ばれています。今回来たのは、うちのアゼル様が頼りないので、日本にあなたを捕まえるためやって参りました。」


 フードと帽子を一気に脱ぎ捨てた。彼は、悪魔に見えないほど背が高くイケメン。


「サタナキア・・・お前か・・・頼りないってなんだよ!首を絞められながらよく喋れたなぁ~」


「首を絞められるは慣れています。もう少し強く絞めてほしかったです。力が弱すぎます。それとレムレムがお店のカウンターのところにカメラを置きっぱなしのおかげでルサールカがこちらにいるとわかりました。」


「うぇ・・・サタナキア様が来るなんて・・・それにカメラの置き場所は私が悪かったけど・・・カメラのことは内緒のはずなのにバレちゃったじゃん。ということは、今までの全部見られてるってこと・・・それとも今までのはルシファー様の計画・・・うわぁぁぁ・・・怖~い」


「今頃、ルシファー様はこの映像を笑って見ていることでしょう。バカだなぁとか言って一緒に見てましたから。」


「親父・・・」


「・・・私のこと無視して話進めてんじゃねぇよ! 男って女性の話を聞かない人とか・・・好きな人ができると他の女のところに行って浮気をするし不倫だって平気でするのが男。そんな最低な男達は殺して、墓に埋めないといけないの・・・」


「そんなことをさせないために僕が来たんです。地獄に行くのはルサールカ。あなたです。地獄だったら男を殺しても文句言われませんよ。罪を犯した人を殺しても・・・まぁ・・・閻魔様にはボコボコにされるかもしれませんが僕は一切責任は負いません」


「サタナキア様~説得下手~」


「え?これじゃダメなんですか?一生懸命考えたんですけどねぇ・・・じゃあここで殺しますか?地獄に行くか・・・ここで私に殺されるかはルサールカあなたが決めてください。」


「勝手に話を進めて、私に選択しろと言ってるのか?」


「えぇ・・・選択のチャンスを与えられられたなんてルサールカあなたはラッキーです。普通ならすぐ私が殺してますよ。」


「サタナキア様ひど~い。話も聞かずに殺すなんて極悪非道すぎますぅ」


「では、ルサールカを自由にして人間の男性が死んでいくのを見ていろと言うのですか・・・」


「そうは言ってません。もう少し女性に優しくすればいいのに・・・って思っただけです。優しくすれば、ルサールカさんだって答えてくれるでしょ。強めな口調で言ったら答えてくれませんよ」



 

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