開店一ヶ月目~閻魔様悩み相談にやってくる
開店一ヶ月目。
閉店の19時を過ぎてからお客さんが来た。それはなんと閻魔様(えんま)だった。
閻魔様といえば、死者を天国と地獄に仕分けしている人物。見た目は人間の格好をしている。角も隠しているらしい。
閻魔様だから怖い感じだと思ったけど、とても優しい人物。忙しい筈(はず)なのに果たして、どんな理由で人間界に来たのか謎である。
「2人とも久しぶり。」
「えんちゃん久しぶり。人間界に何しに来たんだ?」
「アゼル!閻魔様と呼べよ。」
「いいや。俺は、昔からえんちゃんだ。」
「もう!どっちでも良いから。閻魔様、用があって人間界に来たんですよね。閻魔様、口に合うか分かりませんが、お茶どうぞ。」
「すまない。お茶を頂こう。あぁ・・・そうそう、悩みを聞いてもらう為に来た。」
「閻魔様に、悩みなんてあるんですか?」
「最近、死者が多くて…なんでこんなに死者が増えているのか、調査に来た。本当は、弟子に行かせようと思ったが、弟子には、私の仕事を任せてきた。」
「死者ですか?そんなに多いんですか?」
「人間界を見た限り、不満とストレスが充満している。どうしたものか・・・」
「ストレスなんて人を殴れば、解決するだろ」
「人を殴ると警察に捕まるぞ。」
「人間ってめんどくさいな。悩んだり、落ち込んだり、不満があると人のせいにする。だから、悪い悪魔に付け込まれるんだよな。」
「それが、人間。生きていれば、失敗も落ち込んだりもする。人間味があっていいことだろ。俺達は、人間じゃないから、人間と結婚することもできない。死ぬこともない。」
「まぁ、不死身だからな。でも、恋愛できないのは辛いな。店長とも仲良くなれたのに…」
「解決できない問題だわ。ストレスとは一生付き合わないといけない。ストレスをコントロールすると言っても怒りが収まらない時が私にもある。父に八つ当たりしてたからなぁ~」
「フフフ…解決はできないか…いい話を聞けた。私は、一度帰るとしよう。3人とも遅くまで悪かったな…」
「いえ…閻魔様の悩み事を聞けて良かったです。」
「俺も久しぶりに、えんちゃんと会えたし、悩み事は解決できなかったけど、楽しかったぜ。」
「悩み事を解決できなくてすみませんでした。」
開店一ヶ月~閻魔様やってくる2に続く
開店一ヶ月目。
閉店の19時を過ぎてからお客さんが来た。それはなんと閻魔様(えんま)だった。
閻魔様といえば、死者を天国と地獄に仕分けしている人物。見た目は人間の格好をしている。角も隠しているらしい。
閻魔様だから怖い感じだと思ったけど、とても優しい人物。忙しい筈(はず)なのに果たして、どんな理由で人間界に来たのか謎である。
「2人とも久しぶり。」
「えんちゃん久しぶり。人間界に何しに来たんだ?」
「アゼル!閻魔様と呼べよ。」
「いいや。俺は、昔からえんちゃんだ。」
「もう!どっちでも良いから。閻魔様、用があって人間界に来たんですよね。閻魔様、口に合うか分かりませんが、お茶どうぞ。」
「すまない。お茶を頂こう。あぁ・・・そうそう、悩みを聞いてもらう為に来た。」
「閻魔様に、悩みなんてあるんですか?」
「最近、死者が多くて…なんでこんなに死者が増えているのか、調査に来た。本当は、弟子に行かせようと思ったが、弟子には、私の仕事を任せてきた。」
「死者ですか?そんなに多いんですか?」
「人間界を見た限り、不満とストレスが充満している。どうしたものか・・・」
「ストレスなんて人を殴れば、解決するだろ」
「人を殴ると警察に捕まるぞ。」
「人間ってめんどくさいな。悩んだり、落ち込んだり、不満があると人のせいにする。だから、悪い悪魔に付け込まれるんだよな。」
「それが、人間。生きていれば、失敗も落ち込んだりもする。人間味があっていいことだろ。俺達は、人間じゃないから、人間と結婚することもできない。死ぬこともない。」
「まぁ、不死身だからな。でも、恋愛できないのは辛いな。店長とも仲良くなれたのに…」
「解決できない問題だわ。ストレスとは一生付き合わないといけない。ストレスをコントロールすると言っても怒りが収まらない時が私にもある。父に八つ当たりしてたからなぁ~」
「フフフ…解決はできないか…いい話を聞けた。私は、一度帰るとしよう。3人とも遅くまで悪かったな…」
「いえ…閻魔様の悩み事を聞けて良かったです。」
「俺も久しぶりに、えんちゃんと会えたし、悩み事は解決できなかったけど、楽しかったぜ。」
「悩み事を解決できなくてすみませんでした。」
開店一ヶ月~閻魔様やってくる2に続く
おまけ 閻魔様編
「えっと…お前は地獄だな。あんたは、天国行き。あぁ…疲れた。一日100万人以上の死者の仕分けをするのは、大変すぎる。礼(れい)、ちび。しばらくの間、仕事まかせてもいいか?」
「どこに行かれるんです?」
背の小さい、ちびという男が答えた。ちびは、閻魔の手伝いをしているが、ちょっとドジのところがある。
「死者が、増えている理由が知りたい。もう一つは、私にも休暇がほしい。働いてばかりいると脳が疲れる。」
「閻魔様は、そんなに仕事してないでしょ! 仕事しているふり、しないでください。」
話すこの女性は、礼と言って閻魔の弟子。死の狭間に迷い込んでいるところを閻魔が助けた。
「きちんと死者を分けているではないか! 仕事をさぼったことないぞ。」
「そうですよ~礼様。こう見えても閻魔様は、休みなく働いているのですからね。僕がしっかりと見ているから間違いありません!」
「ちびを味方につけて、何を企んでいるんですか?」
「企んでない。ただ…少しの間日本に行ってくるから留守番を頼もうと思っただけだ」
「仕事が、すっごく溜まってるんですよ!閻魔様がいなくなったら誰が死者の仕分けをするんですか!どれだけ大変か分かって日本に行くつもりですかぁ!」
礼は、閻魔が耳を塞ぐくらい大きな声で怒鳴った。
「礼…そんなに怒鳴らなくてもいいだろ。土産買ってくるから…な!」
「・・・・・・」
「閻魔様…礼様は無言で喋らない方が怖いんですよ。気をつけてくださいね。」
「わ、わかった。」
「閻魔様…たくさんお土産買ってきてくれるんですよね?」
「あぁ…もちろん! たくさんお土産買ってくる。」
「たくさんですよ! 約束ですからね!」
「約束する。(なんか怖いな…圧を感じる)」
「日本に行っても良いですよ。だたし!一日で帰ってきてください! 仕事、山積みですからね!」
「なるべく早く帰る」
「なるべくですか…ハハハハハ」
「いきなり笑い出しだしたぞ! 礼は、頭おかしくなったのか? ちび?」
「たぶん…大丈夫だとは思いますが、きっと仕事が多すぎて、笑いたくなったんだと思います。閻魔様! 今のうちに日本に行ってください。後は、僕が何とかしますから。」
「少しばかり不安だが…ちび、後は任せた。じゃ行ってくる。」
「僕に任せてください。閻魔様…行ってらっしゃい。(初めて閻魔様から頼まれたぁ! やった!)」
閻魔が日本に行った後、ちびは一生懸命、礼を落ち着かせた。
「ちび…私が見てない時に閻魔様を送り出すなんて…ひどいんじゃない?」
「礼様…おかしな笑いしてたじゃないですかぁ?」
「あぁ?」
「ひぃ!」
「ちびぃ、罰として死者の仕分けをやりなさい。いつも閻魔様の味方をしてると痛い目に合うわよ!」
「礼様~それだけは許してくださいぃぃ」
その後、ちびがどうなったかは誰も知らない。
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