第2章

改名天使と悪魔カフェ開店

お店を一週間休んで、ラファエルとアゼルを接客など特訓して、開店の日を迎える。そしておいちゃんと小次郎さんは、家に帰ってしまった。


「さー開店するわよ!」


「店長、今日は気合入っているな」


「今日、店が開店するんだぞ。気合も入るだろ」


「なーに、二人でこそこそと話してるの。聞こえてるわよ!」


「いつもより怖いなぁ~店長」


「開店だし、失敗も許されないから。ピリピリするのは仕方がないだろ。」


「2人とも頼んだわよ。イケメンが頼りなんだよ。接客もきちんと教えたから、失礼の無いようにお願いね。」


「りょうかーい」


「はい、わかりました。店長」


「もう8時か~あと1時間ね。悩み相談所の看板は、ちゃんと置いてあるアゼル?」


「あー準備は出来てるぜ。」


「ラファエルは、イケメンだから外でチラシ配ってくれる?」


「かしこまりました。店長。」


「おい、店長。俺だってイケメンだろ。ほら!」


「イケメンだけど、残念なのは言葉が悪いところだよね。少し言葉遣いが良ければ…なぁ~(ウィンク)」


 叶奈は、ラファエルにウィンクを送った。ラファエルは、なるほどね~という顔をして、叶奈にウィンクを返した。


「言葉遣い悪いと、女の子はもちろんのこと店長にも嫌られるぞ。アゼル」


「…わーかったよ。ラファエルにあまり頼らず、俺に頼ってくれるなら、少しずつだけど治してやってもいい!だたしラファエルばかり頼るなら、言葉遣いも悪いままだからな。わかったか!」


「うふふ…わかったわ。あまり頼らない。」


「あまり?」


「わかった。話しかけるくらいにするわ」


「それと店長が、俺に全然頼らなくするのは、ずるくないか?アゼル」


「ラファエルには、負けたくないんだよ!」


「ん? 俺に負けたくないって、俺たち…勝負してるのか?」


「二人ともあと30分で開店だから、準備しないと・・・二人で外でチラシ配ってきて」


「了解です。行くぞアゼル」


「俺もか?」


「俺もだよ。私に負けたくないんだろ! さっさと行くぞ」


「店長のそばに居たいんだよ!」


「いってらっしゃい~ラファエル~アゼルのこと頼んだわよ~」


「かしこまりました!アゼルのことは、僕に任せて、店長は、店内の準備お願いします。で?アゼル?いつからだ?店長のことが好きになったのは?ただ仕事したくないだけだろ!」


「ギクッ!いいや・・・そんなことねぇよ」


「図星みたいだな。それじゃチラシ配るぞ!店長からアゼルのこと任されたから開店まで頑張らないとな。」


「分かったよ配ればいいんだろ。ラファエル、半分チラシよこせ」


「天使と悪魔カフェまもなく開店ですよ。良かったら寄っていきませんか。お姉さん?今ならお悩み相談室なんと一回500円!」


「すごくおいしいコーヒーありますよ。悩みがあるならお悩み相談室へ来ませんか?相談に乗りますよ。コーヒー、1杯無料になります。いかがですか?(ウィンク)」


 外から女性たちのキャーという声が聞こえてくる。ラファエルとアゼルの周りをたくさんの女性が囲んでいた。


「女性は、イケメンが優しくすればイチコロね。作戦成功。これでお客さんが来てくれれば、いいんだけど・・・」


 ラファエルとアゼルがチラシを配ってくれたおかげで、たくさんお店の前に行列ができた。そして、30分経ち9時の開店時間になった。ラファエルとアゼルは、カフェを手伝うのではなく、悩み相談の方を担当してもらうことにした。ただ、一人の悩みを聞くのが長すぎて、行列ができてるのが問題だ。

 

 ラファエルとアゼルの手を握る人もいれば、悩み相談が目的ではなく、コーヒー1杯無料券が目的の人もいる。どうすれば、いいの・・・まぁ考えても仕方がないから、様子を見ようかなぁ~


 一方ラファエルとアゼルは・・・どっちが多く悩みを解決するか、対決していた。


「お姉さんの悩みは、何かある?」


「私は、彼氏が全くできなくて・・・」


「お姉さんきれいだから、もっと自信持っていいと思う。ただ、変な男に捕まらない様に、気をつけてね。特に10日くらいでプロポーズする人とか、お金持ちだけど、気をつけた方がいい。お姉さんは、変な男に会いやすくて彼氏ができないのかも…」


「え? なんでわかるの?」


「え?当たってた?わかるよ。お姉さんの目を見れば・・・ね(ウィンク)でも、これから先、いい人に会えるから安心して。」


「いつ会えるの?」


「それは、お姉さんの行動次第かなぁ~俺がもし教えたらその運命は変わってしまうから教えられないけど、お姉さんには幸せになってほしいから。頑張って。」


「私、頑張るわ。相談に乗ってくれてありがとう。アゼルさん」


「俺は、お姉さんが喜んでくれれば、いいさ。これコーヒー無料券。渡さないと怒られるから。」

「ありがとう。じゃ・・・私は行くから。」


 女性は、会計して帰って行った。


「ふぅ・・・一人終わった。次の人どうぞ!」


「アゼルも頑張っているみたいだなぁ~僕も頑張らないと・・・お姉さんは、どんな悩みですか?」


「私は、ダイエットが上手くいかなくて・・・」


「それは困りましたね。無理にダイエットすると、リバウンドの原因なりますし・・・少しだけ・・・お菓子を減らしてみるのはどうでしょうか。」


「お菓子を減らしてもお腹が空いてしまうんです。」


「うーん…女性の方はストレスで食べてしまうことがあると聞いたことあります。好きな男性ができると、その人の為に痩せようと思うかもしれません。」


「好きな男性ですか? ラファエル様が好きです!」


「え! 僕ですか?・・・(人間じゃないし、ずっと、人間界にいるわけでもない。どうするか・・・)」


「お姉さん、こいつ(ラファエル)は、やめておいた方がいいですよ」


 隣にいるアゼルが、困っているラファエルを見て急にお客さんと話し始めた。


「え?」


「おい・・・アゼ・・・んん」


「ラファエルは、黙ってろ。」


 ラファエルは、アゼルに口を塞がれた。


「ラファエルは、女癖悪いし、俺と同じ好きな女性がいるんで!」


 その声は、店全体に響いた。


「おい!アゼル!」


「それとダイエットは、やらない方がいい。無理にやると、倒れる。お姉さんは、そのままでも好きなってくれる人が、すぐに現れる・・・まぁその人を好きになるのも・・・お姉さん次第だけど・・・ね」


「・・・その言葉信用してもいいの?」


「俺、悪魔だから悪魔のささやきくらいに思ってもらえればいいんじゃない?信用するもお姉さん次第だし?」


「・・・ラファエル様には振られたから、アゼル様の言葉を信じて男性に出会えることを祈るわ。会計お願い・・・」


「・・・解決できなくて申し訳ない。これコーヒーの無料券・・・ダイエットの成功と幸せを祈っている。」


「ありがとうございます。ラファエル様、幸せになれるように頑張ります。それでは・・・」


 二人の頑張りで行列になっていた列もなくなり、閉店の時間19時になった。二人の対決は・・・今回は、引き分けに終わったらしい。


「ふぅ・・・悩み相談も神経削られるな・・・寿命が縮まりそうだ。それとアゼル・・・能力を使ったのか?」


「俺達には寿命なんてないだろう。能力? 何のことだ。覚えがないなぁ~」


「おい! 誤魔化すなよ・・・未来のことは言ってはいけない決まりだろ・・・」


「警告をしただけだ・・・何か問題が?」


「ぐぅ・・・何も言えない・・・」


「俺の勝ちだな」


「二人ともお疲れ様。疲れたでしょ・・・水でも飲んでゆっくり休んでね」


「もう・・・そんな時間になっていたのか」


「ラファエル、アゼルはいるか~」


 閉店時間が過ぎてからお客さんがやってきた。


「あの~ラファエルとアゼルの知り合いの方ですか?」


 二人に声が聞こえたらしく、入り口にやってきた。


「閻魔(えんま)様!!」


「えんちゃん!!」


 また、変わったお客様が来たようだ。



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