悪魔、土の下からやってくる&おまけ悪魔の国

「キャーー」


 外から女性の声がした。


「本当だ外から女性の声がする! 早く助けなくては! トゥー」


「飛ばなくていいから! もう! なんなの! 私の時より、助けに行くの早いってどういうこと!」


 私のことを無視して、男達は急いで外にいる女性の元へと風を切る速さで向かった。


「お嬢さんお怪我はありませんか?」


「えぇ…私は、大丈夫です。でも、つ…土の中から、て…手が!」


 女性が指を差した方向には、土から手が出ていた。


 ズボッ! ズボッ!



「よいしょっと…あーやっと出れたっと…服が泥だらけじゃねぇか…」


 その男は、ブツブツ独り言を言いながら土の中から出てきて、大きな黒い翼を広げた。


(また変なのが出できた


「アゼル? お前、なにしてるんだよ!」


「手伝いに来たんだよ。ラファエルがいるって事は、ここが目的地だな」


「じーさん、遅くなってすまない。俺は、悪魔の国からやって来た"アゼル"だ。よろしく頼む。」


「待ちくたびれたわい…まぁいい…アゼルか…よろしく頼む」


「とりあえず、お店の外だと目立つし、寒いのでお店の中に入りませんか?」


「そうだな…寒いし…店の中に入ろう。」


 全員が揃ったので、今後についての会議が、始まった。進行役は、なんと! 私(叶奈)が進めることになった。


「改めて、今後について会議の進行を務めさせていただきます。叶奈です。よろしくお願いします。」


「よっ~叶奈店長! 頑張れ!」


「なぁ…アゼル。なんで土の下から出てきたんだ?他にここに来るルートあっただろ?」


「あー親父(ルシファー)が考えたんだ。俺は、なにも言えないだろう。親父のことだ。派手に、登場させたかったに決まっている。ラファエルは、どんな風にここに来たんだ?」


「あぁ…俺か…俺は親父(ミカエル)に、突き落とされたんだ。でも奇跡的にここに着いたのはいいけど、叶奈の背中の上に落ちてしまって大変だったんだ。」


「アハハハ! そうだったのか! 俺とあまり変わらないな…」


「コラ! そこの二人私が今から喋ろうとしてるのに、二人で楽しく話するな! 私の話を聞け!」


「店長、怒ってる! かわいい~! 店長も会話に入りたいのか。こんなつまんない話し合いなんてやめて、こっちで楽しくしゃべろうぜ」


 え? 怒っても効果なし。先行き不安…いやいやいや…ポジティブに考えないと…


「話の途中だが、ちょっといいか?」


「おじいちゃん! いいタイミング! (助かった~)で? どうしたの? おじいちゃん?」


「店の名前を言うの忘れていたわい。「天使と悪魔カフェ」というのはどうじゃ」


「あぁ…全員、そろったら話すって言ってたよね。私、そのお店の名前いいと思うよ」


「店長が言うなら俺、賛成!」


「アゼルと店長が言うなら私も」


「じゃ、決まりね。会議終わり! 解散! あ!」


「え? なんだよ」


「どうかしました?」


「言い忘れた! アゼル! ラファエル! 明日から、接客の特訓するから覚悟してね。(ウィンク)それじゃ…解散!」


「え? マジかよ…接客の特訓って」


「会議中に私達が話してたから店長、怒ってますね。それに、嬉しそうに話してたから特訓も厳しい感じがします。覚悟しておいたほうがよさそうだな! アゼル」


「そんな~死ぬぅぅぅ」


 


 そして、一週間程お店を休みにして、接客の仕方など教えることになる。


 接客の特訓の話は、番外編にて公開します。






 おまけ 悪魔の国にて


「寂しいと言わなくて良かったのですか?」


「あいつに寂しいなんて言ったら殴られるだろ? 意外とパンチが痛いんだ。今回は、遠慮しておく。そういえば、レムレムに電話したか?」


「電話しました。もうすぐ渋谷から来ると思います。」


      5分後



「レムレム、ここにさんじょうぉ~ルシファー様~何かお呼びですかぁ?」


 ルシファーの前に登場したのは、爪には、派手なネイル。 見た目は子供。頭には角。リボンがついている。黒い羽と、尻尾がついていた。


「お願いがある。」


「お願いですかぁ? ルシファー様のお願いなら何でも聞いちゃいますよぉ~。」


「見つからない様に、アゼルの様子を見てきてほしい。」


「アゼル様の様子ですかぁ~いいですよぉ~今、アゼル様はどこにいるんですかぁ?」


「日本のカフェを、手伝いに行っている。」


「カフェのお手伝いですかぁ~すごいですねアゼル様も少しは使える方に、なったんですね。」


「……(俺は、何も言えん)」


「それと一つ条件がありますぅ」


「条件とは?」


「日本一周してからアゼル様のところに行ってもいいですかぁ~日本一周するのに二日はかかるんですけどぉ~お願いですよぉ~ルシファー様に~お土産買ってくるんで!」


「…自由にしてくれ。任せるよ…」


「やった! じゃ…今から任務に行ってきまーす。」


 レムレムは、すごいスピードで走り去って行った。


「レムレム、行きましたね…」


「行ったな。疲れた…」


「ルシファー様、子供の相手は、苦手ですか? 結構、かわいいですよ」


「私は、苦手だ…特にうるさいのは…とにかく私は、寝る。絶対に起こすなよ!」


「かしこまりました。絶対に起こしません。おやすみなさいませ…ルシファー様」


 サタナキアは、静かにルシファーに頭を下げた。





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