鏡に映らない。

グイ・ネクスト

第1話 お姉さん、こんばんは

ちょうど20年前でした。湯郷温泉に親に連れられて行ったのは。


そこのホテルのお土産売り場に、変なお姉さんがいたんです。


ずっと外を眺めていて・・・声をかけても、後ろを振り向くだけで。


で、そこにお姉さんがいた事を弟たちに話しても、そんな人いなかったよ。って言われて訳が分からなくなって。


そうそう、お姉さんはびしょ濡れでした。外は晴れていたのに。


それでその日は家に帰ったんです。次の日、起きてお土産をさっそく食べたりしました。いつも通り、テレビを見たり、本を読んだりして過ごしました。


ボクのお風呂の番になって・・・お風呂に入るために脱衣室で服を脱いで・・・


その時です。


悪寒を感じました。見える体質だったので、あーまあ、いつもの奴かなぁ。

ぐらいに考えて、鏡を見ました。


そこにはボクの姿が映ってなくて、旅館にいたお姉さんがいました。

怖がっちゃダメだ。平常心、平常心。深呼吸してから


こんばんは。そう言いました。

お姉さんは笑って、「神殿に案内してほしい」


ちょっと驚きました。神殿?どうして知ってるんだろう?

キリスト教の教えにあるのですが・・・教会に通い、それを元に心の中に神殿を築きなさい。という教えがあります。


神殿を心に持ってからは・・・不思議と浄化することができるようになりました。


だから、心の中に案内しました。

神殿に案内すると・・・お姉さんは天使の姿でボクのそばに今でもいます。


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