第7話 高校

高校入試合格発表当日の朝、ほとんどの受験生が志望校に合格発表を見に行く中、私はまだ夢の中にいた。母親が起こしに来た。同じ高校を受験した友人からの電話。「名前あったよ。」特に何も感じなかった。高校に行っても当然のようにギターを弾く。そのことだけを考えていた。


高校生の情報伝達の速さは半端無い。たとえSNSが無い時代だとしても。

私とヒロとの出会いは早かった。あっという間に私がギターを弾いてること、ヒロがドラムを叩いていることは同級生の間で伝わり、その情報はお互いを繋いだ。


ヒロの家。2階にある広い部屋。そこにドラムセットが置いてあった。

正確な8ビート。楽器は違うが演奏のレベルは私と同じくらいと感じた。



The Revolution。高校生活の3年間、私の情熱と青春を注ぎ込んだバンド。

実はこのバンドは中学3年生の時に一度結成された。私がギターを弾いていたこともあり、中学卒業の予餞会で友達とバンド演奏をやろうということになった。その時につけたバンド名だ。予餞会で演奏した曲はリビングオンアプレイヤーとBOOWYのジャスティ。演奏後は教室に戻るのが本当に嫌になるくらい最悪な出来だった。


そのバンド名は高校に行っても引き継いだ。進学校に進んだボーカルのマサも。

当時マサはあまりバンドに本気ではなかった。その気持ちは私とヒロの本気度とバンドの人気によって変わっていく。

一緒に映画を観たタツヤも当然のようにメンバーになった。タツヤのパートはギター。

私とヒロ、マサとタツヤ、そこに高校で知り合ったショウがベースで加わり、高校でのRevolutionはスタートした。


ヒロの部屋でバンド練習が始まった。曲はもちろんBOOWY。中学の時知ったBOOWYは当時日本中のティーネイジのカリスマとなり、ロックの巨大台風となって日本の音楽シーンを席巻していた。

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