第70話 ついてるものが気になるらしい。

 18時になったので、ミヤビさんを連れて5人で食堂へ。

 アマグリ部屋の夕食は、いつも以上ににぎやかだ。


「ミャーちゃんの席は、私とポロリちゃんの間で、いいよね?」

「そうですね。それで、いきましょう」


 お子様用の椅子いすを運び、クリさんの席とポロリちゃんの席の間に置く。


 こちら側は、クマさんと僕。

 向う側には、クリさん、ミヤビさん、ポロリちゃん。

 体のサイズ的に、この並びがベストだろう。


 ミヤビさんの夕食は、僕達の夕食とほぼ同じメニューだが、まだはしが使えない為、スプーンとフォークが必要になる。


 体も小さいので、量は控えめ。

 若い女の子が、食べ過ぎて肥満になってしまったら大変だ。




「ミャーちゃん、今日は209号室でお泊り? 良かったわねー」

「ままとみゅー!」


 食事中に、ミヤビさんの妹を連れた新妻にいづま先生がいらっしゃった。

 次女のミューちゃんこと新妻みゆきさんは、まだ生後100日ほどだ。


 今晩、ミヤビさんがうちの部屋に泊まることについては、既に花戸はなどさんから聞いていたそうで、「よろしく、お願いします」と頭を下げられてしまった。


 新妻先生、ミヤビさんのことは、僕達に、お任せください。

 僕達にとって、これは育児実習の続き。

 娘が出来た時に備えたシミュレーションだ。




 食事の後は、部屋に戻って、みんなで歯磨き。

 僕はミヤビさんの歯を優しく丁寧に磨いてあげる。

 歯は、一番奥の歯以外は、全て生えそろっているようだ。


 ミヤビさんは嫌がることもなく、最後まで大人しく口を開けていた。

 これは、きっと花戸さんの教育の成果だろう。




「アマちゃん、お風呂はどうするつもりなの?」

「花戸さんから頼まれたので、僕がミヤビさんと一緒に入ります」


 女の子と一緒にお風呂――と言っても、相手は2歳児。

 僕の体が反応してしまう心配もないだろう。

 父親役の僕が、娘と一緒に入浴して、体が反応してしまったら大問題だ。


「――はいっ!」

「はい。クマさん、何でしょうか?」

「私も一緒に入りたいです!」

「僕が、お父さん役で、クマさんは、お母さん役という事ですね?」

「うん、うん」


 クマさんも一緒に入ってくれるそうだ。

 正直なところ、2歳児をお風呂に入れてあげる事には、少し不安もある。

 クマさんが居てくれたほうが、きっと安全だろう。


「えへへ、ポロリも一緒に入りたいかも」

「みんなで入るなら、私も一緒に入るよ」


 クマさんだけでなく、ポロリちゃんとクリさんも協力してくれるらしい。

 これは、ありがたい。お母さん役が3人なら、一夫多妻じゃないですか。




 ――という訳で、お風呂には5人で一緒に入る事になった。

 3人に任せて僕が辞退するという選択肢もあったが、何事も経験だ。




 ここからは「エロ注意」の話です。


 性描写が苦手な方と15歳未満の方は、第71話にお進みください。

 スマートフォンでご覧の方は、念の為、壁を背にしてからご覧ください。


 なお、登場人物には全く罪はありません。汚れているのは筆者のみです。

 運営様から修正依頼が来た場合は、すぐに修正させて頂きます。


 ――では、準備が出来た方はどうぞ。




「うわっ、アマちゃん、幼女の体に反応してるよ。さすがロリコン!」

「違いますよ。クリさんを含めて、ミヤビさん以外の3人に――です」


 恐れていたことが起きてしまったが、これは仕方がない。クリさんも、それを理解した上で僕をからかっているので、特に問題はないはずだ。


「そーせーじ!」

「あはっ、ミャーちゃん、それはソーセージじゃないから、食べちゃダメだよ」

「えへへ、ミャーちゃん、それはね、『おち●ちん』っていうの」

「おち●ちん!」

「そう、おちんち●! 私達には、ついてないけどね!」


 僕がパンツを脱ぐと、ミヤビさんは、目の前に出現したものに興味津々だ。

 ルームメイト達は、この機会を利用し、ミヤビさんに性教育を施している。


「どーして、みゃーびには、ついてないの?」

「それはね、『私達が女の子だから』だよ!」


 ついてれば、男の子。ついてなければ、女の子。実にシンプルだ。

 ごく一部の例外は、あるようですけどね。


「みんな、もじゃもじゃ!」

「あははは、そうだね。みんな、モジャモジャだね」


 僕はタオルで前を隠しながら、ルームメイト達を、こっそりと観察する。

 皆さん、もうオトナですからね。


 5人で浴室に入ると、人口密度は、かなり高い。

 僕はミヤビさんにシャンプーハットをかぶせて、髪を洗ってあげた。

 ミヤビさんの髪はポロリちゃんの髪よりも細くて、とても柔らかかった。


 次に、タオルで全身を洗ってあげる。

 ミヤビさんは、嫌がったりせず、とても素直だ。

 これは、日頃から花戸さんが丁寧に体を洗ってあげているからだろう。




 全員が体を洗い終えた後、5人で一緒に浴槽へ。

 お湯がだいぶあふれてしまったが、特に問題は無い。


 ミヤビさんをひざの上に座らせようとしたところで、クリさんに、「やめときなよ。刺さったら危ないでしょう?」と言われ、ミヤビさんを取られてしまった。


 クマさんも「うん、うん」とうなずいている。

 いったい、どこに何が刺さるというのだろうか。


「えへへ、ここはポロリの席なの」


 代わりにポロリちゃんが嬉しそうに僕の膝の上に座る。

 なるほど。これは、確かに危険な体勢ですね。




「おっぱい、おっきー!」

「そうだね。ユメちゃんのおっぱいより、イヨのおっぱいのほうが大きいよね」

「あはっ、くすぐったい!」


 ミヤビさんは、クマさんのおっぱいを嬉しそうに触っている。

 ミヤビさん、そのおっぱいは、カレシである「僕の」ですからね。




 風呂からあがった後、1人でパンツを穿けたミヤビさんを褒めて、トイレに連れて行った。補助便座をセットし、寝る前のおしっこだ。


 女の子の場合、おしっこをした後も、お尻をく必要がある。

 ミヤビさんは、まだ上手に拭くことが出来ないので、手を貸してあげよう。


「きゃはっ!」 


 拭いてあげると喜んでくれるのは、羞恥心というものが芽生えていないからだ。

 きっと、お尻がれていると不快なのだろう。




「パジャマも1人で着れるかな?」

「きれるー!」

「おー! えらい、えらい!」

「あはっ、パジャマも、かわいい」

「ミャーちゃん、よく似合ってるの」


 パジャマを着ることは、お尻を拭くことよりも簡単らしい。 

 ミヤビさんはご機嫌だった。




「くまさんと、いっしょにねる!」


 そして、ミヤビさんは僕のベッドで横になっている熊の抱き枕エヒメさんを指差した。


 クマさんが「クマちゃん」で、エヒメさんが「クマさん」。これは、ネネコさんを「ネコちゃん」と呼び、猫を「ネコさん」と呼ぶポロリちゃんと全く同じだ。




 ミヤビさんは、僕のベッドに入ると、すぐに眠ってしまった。

 今日も元気に寮内を走り回り、疲れていたのだろう。


「お兄ちゃん、ポロリも、もう寝るの。おやすみなさい」

「うん、おやすみ」


 ポロリちゃんは、いつも早寝早起き。

 ミヤビさんの眠るベッドの梯子を上り、自分のベッドに入った。


「私も、もう寝るよ。明日も早いし。おやすみなさい」

「お姉さま、おやすみなさい」


 クリさんは明日の朝も早いらしい。

 隣のベッドの梯子を上り、自分のベッドに入った。






「あはっ、みんな寝ちゃいました」

「そうですね。これでクマさんと2人きりです」


「――はいっ!」

「はい、クマさん、何でしょうか?」


「消灯時間まで、試験勉強したいです」

「いいですね。2人で頑張りましょう」




 試験勉強は、ベッドの横にある勉強机ではなく、リビングの低いテーブルで。

 これはもちろん、勉強しながらイチャイチャする為だ。


 試験勉強とは、あくまでもイチャイチャする為の口実。

 お楽しみは、消灯時刻が過ぎてからである。


 試験勉強を消灯前に終わらせて、いつものマッサージ。

 クマさんは笑顔で、僕に全てを委ねている。


 22時になると、廊下が真っ暗になり、緑色の非常灯のみになる。

 クマさんも、これを待っていたはずなので、断られる心配もないだろう。


「クマさん、今日はベッドじゃなくて、ここで、どうですか?」

「あはっ、いいですよ。センパイが、ここでしたいなら」

「みんなを起こさないように、こっそりとやりましょう」

「うん、うん」






 大人の事情で詳しくは語れませんが、クマさんとの「仲良し」は、ミヤビさんに気付かれることなく無事に終えることが出来た。


 これで、明日の試験は「賢者モード」で、実力を発揮できそうだ。

 クマさん、ありがとう。




 その後、僕は自分のベッドに入り、ミヤビさんの隣で寝た。


 ミヤビさんがエヒメさんに背を向け、僕に抱き着いてきたのは、きっと僕の方が温かかったからだろう。ミヤビさんの体も、とても温かかった。




 眠っている間、僕は悪夢にうなされた。


 泳げるはずの僕が、プールでおぼれている。

 しかし、そのプールの水は冷たくなく、まるで温水プールのようだった。


「うわーん!」


 遠くでミヤビさんの泣く声が聞こえる。

 こんなところで溺れている場合ではない。

 僕は懸命に泳ぎ、ミヤビさんに手を伸ばしたところで、目が覚めた。


 よかった。ミヤビさんは無事だった。

 この温かい水は、おそらくミヤビさんのおしっこだ。


「だびでくん、ごめんなさい!」

「おはよう、ミヤビさん。あやまらなくていいよ。一緒にシャワーを浴びようね」


 泣きながら謝るという事は、きっと「今日が初めて」ではないのだろう。

 まだ2歳なら、自分の意思ではどうすることも出来ないのかもしれない。


 僕はミヤビさんの頭をで、優しく慰めてあげた。

 かわいい女の子のおしっこなら、僕にとっては、ご褒美ですから。

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