第14話 月曜日恐怖症

無い島には曜日の概念があるのかないのか。


一応、この島に来た日を日曜日と設定したが、昼だか夜だか分からないグネグネした空間にいるため、途中で日にちや曜日を考えることを止めた。


この島で出会った人の中に、月曜日を嫌う人が後を絶たなかった。


仕事や学校へ行きたくないと考える子供や大人の多いことに驚いた。


皆、言うことはほぼ同じで、「めんどくさい」のだ。


過ごせない場へ行きたくないのだ。


人間はめんどくさがり屋が多い。だらだらしていることが好きなのだ。


狩りをしていた時代の人間は、獲物を収穫した後は、だらだらしていた。


腹が減ったら、狩りにいくくらいで、年がら年中狩りをしていたわけではない。


農耕社会になってから、人間はやたら働くようになった。


人間の本質は狩りの時代からそんなに変わっていないとするならば、働くことがめんどくさいと考えるのは、普通のことなのだろう。


自分が何を獲ているのか分からなくなるような仕事が、世の中には在り過ぎて、ほとんどの人間が不適応を起こしているのだ。


不適応社会で生きているのだから、めんどくさいは当然なのだろう。


と、無い島の仙人はていた。


解決策は、週に1回、地元の山へ行って狩りをすることだそうだ。


人間を取り戻す行為をすることで、本来持っている潜在能力が活性化するとのこと。


老若男女男女問わずである。


それができないのなら、集団スポーツ(サッカー、バスケ、バレー)をやるなり、観るなりして、集団で狩る疑似体験をすることでリフレッシュするそうだ。


自分らしさを求める前に、を追求した方が早いのかもしれない。


無い島の空間に大きな人影が写り込んでいた。


曜日は毎日、日曜日と設定したい。










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