幼なじみと長い髪!? ダメかな。


「ライヤ! ライヤ!」


 自分のオーラをこの身体に収めるのに苦労していると、後ろから俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。振り返るとアイラがいた。


 先程まで一緒に並んで歩いていたというのに、随分と時間が経ったみたいに感じる。なんでなんだろうな。


 アイラが俺の懐に飛び込むと、オーラが柔らかくなり、スムーズに俺の中へ入ってくれる。


 オーラが俺の中で落ち着いた。


「終わったよ、何にするか考えといてくれたか?」

「そうなの考えられるはずないよ! ライヤの邪魔にならないように、遠くで無事を祈ってたんだから。そしたら水色の髪が綺麗なお姉さんが終わったよって。だから来たの!」


 え? 水色の髪のお姉さん? アイラの存在は頭の片隅に置いていたけど、誰かが近づけば俺には分かる。俺が分からなかったということは近づいていないという事になる。

 女神の言うことが正しいなら、それはアイラが繋がっているという魔神が姿を現したのか?


「何もされたかったか!?」

「うん、優しかった。お礼を言おうとしたら見当たらなかったけど」

「そうか」


 魔神の器らしいし、アイラに魔神が優しくするのは当然か。


 もう門とかは女神に知られるから使わない。



「よし、二人旅を始めるか!」

「うん」


 アイラと手を繋ぎ、サーザルの街を目指す。旅気分を味わったら転移だけどな。



「それに僕も参加したらダメかな?」


 懐かしい声と共に、長い白の髪が風で舞った。

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